やるべきことがあるのに、ついスマホでダラダラして動けない。気づいたら何時間も経っていて、「私、一体何やってたんだろう……」と後悔することはありませんか?
累計500万ダウンロードを突破したアプリ「集中」の開発者で、新刊『脱スマホ術 ──「何もせず1日が終わった」がなくなる』の著者・戸田大介さんに、スマホで時間が溶けてしまうメカニズムと、ダラダラを解消するための考え方を聞きました。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【97%が依存傾向】酒もタバコも依存しない人が、スマホだけは止められない理由Photo: Adobe Stock

酒やタバコは平気な人でも、簡単にスマホ依存に

――動画やSNSを見始めたら、いつの間にか何時間も経っていて、「またやってしまった……」と後悔します。

戸田大介(以下、戸田):たいていの人が経験していることだと思います。実際に調査してみたところ、デフォルト設定でスマホを使っている人のうち、約97%の人が、「ついスマホを見すぎてしまうことがある」と回答しています。

【97%が依存傾向】酒もタバコも依存しない人が、スマホだけは止められない理由

 依存というと、お酒やタバコをイメージする方が多いと思いますが、お酒やタバコには依存しない人でも、スマホには簡単に依存してしまうのです。

――お酒やタバコは大丈夫な人でも、ですか? 一体なぜでしょうか。

戸田:スマホは、デジタルだからこそ、誰でも依存してしまう3つの大きな原因があると考えています。スマホは「量」「料金」「アクセス」のいずれの面でも、依存しやすい強い性質を持っています。

「量」――消費しても、なくならない

戸田:1つ目は、「なくならない」ことです。

 当然ですが、お酒を飲んだりタバコを吸ったりすれば、いつかは底をつき、なくなりますよね。一度なくなったら、また買いに行くまでは手元にないわけです。

 でもスマホはちがいます。SNSのコンテンツもYouTubeの動画も、決して尽きることはなく、どこまでも無限に続いていく。終わりがないので、いつまでも見続けてしまいます。

――「ここで終わろう」と思うタイミングが、なかなか来ないんですね。

戸田:そうなんです。なので私たちは無制限にコンテンツを消費しつづけることができて、結果として依存はどんどん深まってしまいます。

「料金」――お金がかからない

戸田:2つ目は、「お金がかからない」ことです。

 お酒やタバコは、なくなればそのたびにお金を払って買わなければいけません。その負担が、行動のストッパーになります。

 しかしSNSや動画は基本的に無料ですし、有料サービスでも、一度契約してしまえばいくら見ても追加料金はかかりません。するとタバコやお酒のように「お金がかかりすぎるから控えておこう」という心理的なストッパーが完全になくなります。

――お金を払う痛みがないから、際限なく見続けてしまうのですね。

「アクセス」――どこでも見れる

戸田:はい、そして3つ目の原因が、「いつでもどこでも見られてしまう」ことです。

 お酒やタバコは、飲んだり吸ったりできる場所が限られますが、スマホは違います。電車の中でも、仕事の休憩中でも、寝る前でも、ほんの一瞬でも時間が空けばすぐにアクセスできます。

 しかも、スマホは常に手元にあります。見るまでのハードルがほとんどありません

――「量:消費してもなくならない」「料金:お金がかからない」「アクセス:どこでも見れる」。たしかに、依存しやすい条件が全部そろっていますね。

戸田:その通りです。お酒やタバコには依存しない人でも、スマホだけは無意識のうちに依存してしまう。これは、当然と言っていいと思います。いきすぎた行動を制御するストッパーが、あらゆる面でことごとく取り払われているわけですから。

 だから「ついスマホを見てしまう」からと言って、自分を責める必要はありません。そうならない方がおかしいくらい、スマホというものは強い依存の条件が整っています。

 ですが逆に言えば、その「依存の条件」さえ崩してしまえば、それだけで自然とスマホ時間は減っていきます。「絶対に見ない!」などと決意しても苦しいうえにほとんど効果がないことがわかっているので、そうではなく「気づいたらあまり見なくなっている」ように環境を整えるのがオススメです。

(この記事は、『脱スマホ術 ──「何もせず1日が終わった」がなくなる』の著者戸田大介氏へのインタビューです)