Illustration: Alexandra Citrin-Safadi/WSJ; iStock
人工知能(AI)は最近まで米国の成長にとって歓迎すべき追い風だった。
しかし、今やその段階を超えている。AIはむしろハリケーンのような強度で経済全体に影響を及ぼしている。株式市場や企業利益、経済成長の速度と構成、貿易、さらには人々の気分――特に雇用市場に対する見方――をゆがめているのだ。
AIの広範な存在は、実際に何が起きているのかを見極めることをほぼ不可能にしている。関税や対イラン戦争といった、通常であればそれ自体が「カテゴリー5」の嵐となるような出来事の影響さえも、AIが覆い隠してしまっている。
AIブームは未知の領域に入っている。モルガン・スタンレーは現在、AI「ハイパースケーラー」上位5社の設備投資が今年8000億ドル(約125兆円)を超え、来年は1兆1000億ドルに達すると見込んでいる。国内総生産(GDP)比で3.3%となる来年の設備投資額は、予想される国防費を上回ることになる。
これは興味深い問いを提起する。AIブームが消えたら、どうなるのか。技術そのものではなく――技術はなくならない――それに伴う熱狂が消えたとしたら。
ありがちな答えは、AIバブルの崩壊が経済を奈落に突き落とすというものだ。しかし、AIがもたらすゆがみを考慮に入れると、そう断言はできない。
経済成長の最も幅広い指標である実質GDPから始めよう。1-3月期は年率換算で2%成長と、まずまずの結果だった。しかし表面下には、AIと「それ以外」という二つの経済が存在する。
GDPの最大構成要素である個人消費は、比較的低調な1.6%の伸びにとどまった。住宅投資、オフィスビル・工場などの事業用構築物への投資、トラックや航空機などの輸送機器への投資はいずれも減少した。一方、テクノロジー機器への投資は43%、ソフトウエアは23%、データセンター建設は22%、それぞれ急増した。








