生き残りの秘訣はリスク管理
損切りは「下落率」より「損した額」で決める
――具体的なリスク管理術として、JACKさんが実践されていることは?
JACK 私はロスカットを「パーセンテージ」ではなく「金額」で考えるようにしています。例えば「10万円損をしたら損切りする」というルールです。
――般的には「買値から20%下落したら損切り」のように「率」で考える人が多いですが、なぜ「金額」なのですか?
JACK 「率」で考えると、数万円の損でも「まだ大丈夫」と心理的に甘くなりがちです。しかし金額ベースにすれば、「手取りの3割の損だ」とか「家族で外食10回分だな」というように、自分の生活水準と比較して痛みを実感しやすくなります。それが冷静な判断につながるのです。
大きく儲けるため手法を変え続けた30年
いま注目の手法は「コバンザメ投資」!
――JACKさんは時代とともに投資手法を柔軟に変えてこられましたね。
JACK はい。私が最初に財産を大きく築いたのは2010年代半ばまでの「IPO(新規公開株)」投資でした。当時は配分さえしてもらえれば高確率で大儲けが狙えたので、地場証券に足を運んで営業マンと関係を築くなど、泥臭く動いてIPOの配分をもらっていました。しかし、ルール変更などでIPOの爆発力がなくなると、その手法は陳腐化しました。そこで、PO(公募増資)やTOB(株式公開買付け)などのイベント投資、あるいは株主優待クロス取引などへ軸足を移しました。
――他にも「優待クロス」や「端株投資」といった手法でも儲けられたとか。
JACK 戦争が激しくなると、逆に「換金売り」が出るからです。中東諸国などは油が出せなくなりキャッシュが不足すれば、含み益も多い上に現金化しやすい金を処分し始めます。産油国以外の財政が厳しくなった新興国も換金するでしょう。実際、トルコなどは過去に同様の動きを見せました。2025年からビットコインが暴落していますが、これも「儲かっている資産から売ろう」という動きだと思います。
――たしかに、イランで紛争が勃発しても金は高値を更新していませんね。今年の値動きはどう予測されますか。
JACK はい。ですが今ではそのやり方は、かなり難しくなりましたね。手法が広まりすぎてコスト(逆日歩)が上がったり、企業側も優待をもらうには長期保有を条件にしたりするなど、この手の“裏ワザ”を駆使する個人投資家への対策が進みました。ですので、過去の良かった手法に執着せず、時流に沿った投資手法を探り続けることが成功のカギです。
※優待クロス:現物株の購入と信用取引の売りを同じ株価・同じ株数で行い、株価変動のリスクなく優待のみを得る取引手法のこと。
端株投資:1株だけ買って株主となっておけば、株主優待の権利を得られたり、権利確定日にだけ99株を買い足しても、長期保有株主限定の株主優待が得られたりする。
――直近ではどのような手法に注目していますか?
JACK アクティビスト(モノ言う株主)が買った銘柄への「コバンザメ投資」ですね。実績のあるファンドが買った銘柄を追随買いする手法です。最近の例では、エリオットに買われたダイキン工業などがあります。
3億円達成には「投手手法」だけでは不十分
メンタルを支える「入金力」と「情報収集」
――書籍では「ポイ活」や節約の重要性も説かれていますが、億単位の資産があっても続ける理由は何ですか?
JACK たとえ数千円でも「ノーリスクで現金が入ってくる」事実は、メンタルを安定させる強力な武器になるからです。含み損を抱えていても、不用品売却やキャンペーンでポイントをもらうと精神的な余裕が生まれて、無謀な投機に手を出すこともなくなります。しかも、「チリも積もれば山となる」で、私の場合、約40年の徹底した活動で累計1000万円もの収入になっています。
――1000万円は大きいですね! ちなみに、情報収集はどうされていますか?
JACK 今はX(旧Twitter)がメインです。私は「カンニング投資術」と呼んでいますが、優秀な投資家の分析をスマホでチェックすれば、自分で一から調べる手間を省けます。他人の知恵を借りて効率化することも一つの戦術です。メルカリでは最新の会社四季報で注目銘柄に付箋を貼ったものも売っていますので、それを買ってもいいですね。
――最後に、投資の目標金額についてアドバイスをお願いします。
JACK 1億円に到達しても「まだ足りない」と無限の欲に囚われてしまう人は多いです。数字を増やすゲーム感覚に陥り、ハイリスク投資に手を出して退場しては元も子もありません。メディアやSNSでは、ハイリスク投資で勝った人が注目されるので「私もできるかも」と錯覚しがちです。でも、私のように仕事をしつつ投資を続け、経済的な不安がない状態を目指す程度の方が、長期的な勝率は上がると考えています。
――これから投資を始める人、続けていく人へメッセージを。
JACK 最も大事なのは「市場から退場しないこと」です。市場は変化しますので、自分の得意な投資法を見つけつつも、それにこだわらず変化に対応して投資先を変えていく柔軟性を持ってください。また、暴落も低迷期も必ず来ます。願望で投機に走らず、相場が悪い時は無理をせず回復を待つ。この粘り強さがあれば、30年後に笑っていられると思います。
本記事は2026年5月12日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。








