「学院一貫教育」の展開と教育提携校

 青山学院横浜英和は元女子校だったことも影響してか、青山にある付属校よりも女子の人気が高い。26年の女子受験者数は、1日[A日程]が男子の2.7倍、3日午後[B日程]も2倍と大きく差が開く。特に1日の女子受験生は前年比39人増と勢いがあり、同日の中央大学附属横浜[1回]64人減、法政大学第二[一般1回]157人減と対照的である。

 青山学院系属浦和ルーテル学院は、さいたま市浦和区から15年に移転、系属校となり、19年から現校名になった。少人数教育(1クラス20~25人)で小中高一貫教育を主軸に置いており、募集人数は小学校75人に対して中学では約15人、高校では若干名とごく少ない。そのこともあってか、1月10日[1回]の倍率は23年1.4倍、25年4.1倍、26年2.7倍と年によって変動が激しい、こちらも女子受験生が男子の2~3倍という傾向にある。

 青山学院は、系列校を現在の3校体制から広げる計画はない。創立150周年を機に30年先の理想の未来像実現のため超長期ヴィジョン「AOYAMA MIRAI VISION」を策定し、これからの10年でやるべきことを「AOYAMA VISION 160」にまとめてある。その筆頭に掲げられているのが、「価値共有による一貫教育の提供」である。

 系列校からの内部進学者数を増やすことより、青山学院の理念と目指す人物像の共有の方を重視している。具体的には、4つの教育要素としてキリスト教教育、国際教育、先端科学教育、想像&創造教育が、設置学校間で共有する方法としては人権教育、平和共生教育、STEAM教育などが挙げられている。

 こうした理念重視の流れに先述した教育提携校もある。現在、中高を持つ学校法人として選ばれているのは、宗派を同じくするメソジストの5校だ。女子校の静岡英和女学院、山梨英和(甲府市)、遺愛女子(函館市)、活水(長崎市)、そして共学校の横須賀学院(神奈川・横須賀市)である。このうち活水は26年から中学での生徒募集が停止となった。

 前回取り上げた聖公会の立教学院とメソジストの青山学院は、プロテスタントのキリスト教大学というだけでなく、何かと似た者同士である。入学定員は500人ほど青山学院が少ないものの、女子学生が半数強を占めている。そもそもメソジストは18世紀に英国国教会から分かれて、北米で大きな勢力となった。日本でも宗派を同じくする学校は教育提携校以外でも、名古屋学院、関西学院、広島女学院、福岡女学院、鎮西学院など全国にある。

 前回、立教大が「キリスト教教育連携校制度」の最初の対象校として横浜女学院を選んだことについて、青山学院大学の「教育提携校」の考え方に近いように思えると指摘した。各校とも推薦入学枠を得ているが、横須賀学院は35人(キリスト教同盟校推薦枠を含む)と突出して多く、6年間中高一貫コース卒業生の4人に1人程度は青山学院大に進んでいる。それ以外の青山学院の教育提携校からはそこまで進学者数は多くない。

 立教の場合、聖公会系の中高が名古屋(柳城学院)、京都(平安女学院)、大阪(プール学院、桃山学院)とあるのだが、新たな制度の対象校とはしなかった。平安女学院は立命館進学コースを設けており、卒業生の半分近くが立命館大学に合格している。プール学院も指定校推薦では立教大よりも青山学院大に進む方が多い。共学の桃山学院に至っては国公立大に卒業生の4割相当が受かるような進学校で、立教大は25年6人と少ない。そんな事情もあって、同じ宗派を優先するという考えにはならなかったように思える。