ほんの10年前まで、系列校は併設された付属校のみだった青山学院(東京・渋谷区)
2026年首都圏中学入試で見られた「付属校離れ」について、MARCHの系列校を見てきた。最後に青山学院大学を取り上げる。東京の付属校、埼玉と横浜の系属校のみで、当面これ以上増やすことはないという。教育提携校を含め、その実態は。(ダイヤモンド社教育情報、森上教育研究所)
新たな学環を設立する青山学院大
2026年首都圏中学入試で見られた大きな3つの特徴のうち、“付属校離れ”について、人気のMARCH系列校を明治、法政、中央、立教と順に見てきた。今回は青山学院である。新型コロナ禍が明けてから、人気大学の系列中学での受験者数が減少、実倍率(受験者数と合格者数の比)も緩和気味で、26年入試では全体的に大学系列校離れが目に付いた。
中高大10年間を内部推薦のエスカレーターで進む生徒が多いMARCHであっても“付属校離れ”の例外ではない。難関国公立大学や早慶にはいま一歩届かなくても、せめてMARCHにと望む保護者が、中学受験でこうした系列校(大学と同じ学校法人の付属校と異なる学校法人の系属校)の受験を後押ししてきた。
少子化が進んでも、MARCH系列中学はランク的には上位・中堅校のグループに収まり、実倍率も3倍前後となかなかにハードな受験状況が続いてきた。青山学院は、青山キャンパス(東京・渋谷区)の併設(付属)校のみという時代が長く続いた。横浜と埼玉に系属校を設けたのはほんの10年前のこと。現時点で、これ以上系列校を増やす考えはなさそうだ。
これまで触れてきたように、中学入試の上位受験者層の理系志向が全体的に高い割に、MARCHにはその受け皿となる理系学部が少ない。大学全体の入学定員に対して、最も少ない立教大は理学部で6%、青山学院大は理工学部で15%と、いずれも20%に満たない。
こうした”理系不足”への対応策の一つか、青山学院大は青山キャンパスに統計データサイエンス学環(仮称)を27年に新設する。統計学とデータサイエンスの専門的・実践的な教育に加えて、5つの連係協力学部(教育人間科学部、経済学部、法学部、経営学部、理工学部)との学部の枠を越えた学部等連係課程が設けられる。入学定員こそ60人と少ないものの、MARCHの中では13年開設の明治大総合数理学部(中野キャンパス)に続く動きとして注目を集めそうだ。
「学環」という言葉は、保護者世代にはなじみが薄いだろう。2000年に東京大学が大学院組織として「情報学環・学際情報学府」を創設したのが嚆矢(こうし)で、16年の静岡大学地域創造学環が早かった。19年に大学設置基準が改正・施行され、学部が連携するような新しい文理横断のカリキュラムを柔軟に組めるようになった。文字通り、さまざまな“学”を“環”状につなぐことができる。今回の青山学院と同様のものとしては、23年に創設された明星大学データサイエンス学環がある。
図1では、青山学院系列3校の中学入試について、コロナ禍の23年からの4年間の受験者数と実倍率を男女受験生の内訳と共に掲げた。受験者数・実倍率動向については、ランクも参照しながら見ていきたい。入試の難易度は四谷大塚「合不合Aライン80偏差値」でランク分けした。Aランク(65以上)、Bランク(60~64)、Cランク(55~59)、Dランク(50~54)、Eランク(45~49)、Fランク(40~44)、偏差値が付かない入試回はHランクとなっている。







