米労働省が12日発表した4月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比3.8%上昇と、高い伸びとなったことを受け、ウォール街ではインフレ懸念が強まっている。

 CPIの発表前からインフレ期待は高まっていた。米国・イラン紛争とそれに伴うエネルギーショックを株式市場がほぼ無視してきた中で、これは潜在的な懸念材料となり得る。

 投資家は、通常の米国債と、インフレリスクをヘッジする物価連動国債(TIPS)の両方を売買することで、インフレに賭けている。米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、両者の利回り差であるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)の5年物は先ごろ、2022年10月以来の高水準に達した。これは、投資家が今後5年間の年間インフレ率が平均2.7%前後になると予想していることを示唆している。

 10年物BEIも上昇しており、今月に入り2.5%に達し、23年以来の高水準となった。

 主にイラン戦争に起因する原油価格の高騰によって引き起こされたインフレ期待の高まりは、FRBの金利政策や主要株価指数の最近の最高値更新に課題をもたらすため、投資家の懸念を招いている。

 近年、株式をはじめとするリスク資産がおおむね好調に推移している一方で、インフレ率は高止まりしている。しかし、将来のインフレ期待は低水準にとどまり、FRBに利下げ余地を与えてきた。アナリストらは、インフレ期待の上昇によってFRBに利上げ圧力がかかり、市場環境が厳しくなる可能性があると指摘した。