イラン戦争後、株価は一時下がったが現在は上昇傾向だ Photo:JIJI
イランを巡る紛争で、エネルギー価格の乱高下や景気減速を懸念する声が強まっている。しかし、米著名投資家ケン・フィッシャー氏は、地域紛争が株価やエネルギー価格を長く揺さぶり続けることはないと断じる。なぜ原油高は、ほとんどの人が考えるよりも早く収束し得るのか。東証株価指数(TOPIX)と世界成長がなお持ちこたえる理由を、歴史と市場の仕組みから読み解く。
地域紛争は悲劇でも
市場への打撃は長続きしない
イランを巡る紛争によって、エネルギー価格の乱高下や東証株価指数(TOPIX)の下落、GDPの鈍化を長く引きずるのではないかという懸念が高まっている。しかし、冷静でいてほしい。地域紛争は人道的には悲劇だが、株価やエネルギー価格を長く動揺させたことはない。今は弱気に傾く時ではない。
資本市場は冷徹である。市場が織り込もうとするのは、概ね3~30カ月先の未来だ。エネルギーを巡る地域紛争に対する市場の反応には、単純なパターンがある。
第一に、開戦前から威嚇の応酬に伴ってボラティリティと原油価格が上昇する。
第二に、戦闘が始まると、市場は最悪のシナリオを一気に織り込み、それがさらに強まる。
第三に、やがて株式市場は、紛争の経済的影響が限定的かつ一時的であることを見抜き、和平成立よりずっと前に、世界成長は続くと判断して反発する。
今回も、まもなくそうなるだろう。当事国である湾岸諸国のGDPを合計しても、世界全体のわずか3.5%にすぎない。大きくなく、小さい規模だ。
過去の例を見よう。世界市場への影響が大きい米S&P500は、1991年の米国主導の対イラク軍事行動の最中にドル建てで12.5%上昇し、その1年後には31.9%高となった。後のアフガニスタン戦争とイラク戦争という「終わりなき戦争」は、長期かつ多方面にわたるものだったが、強気相場を妨げないことを示している。







