Photo:PIXTA
エネルギー価格の乱高下が、もはや一時的な供給ショックでは片付けられなくなっている。ECBは化石燃料への依存が物価安定を脅かす構造要因だと警鐘を鳴らし、クリーンエネルギーへの移行加速を促した。その問題意識は、海外エネルギーへの依存度が高い日本にも重く突き付けられている。(みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔)
エネルギー価格動向に
揺さぶられる金融政策
4月14日に公表されたIMF「世界経済見通し(WEO)」は、紛争の期間と規模が限定的との仮定に基づき、「世界全体のインフレ率(総合)は2026年に緩やかに上昇した後、2027年には再び低下に転じる」との見通しを示した。
もっとも、「資源価格の高騰、インフレ期待の高まり、金融引き締めが、近年の回復力を試す状況にある」とも付されており、結局は資源価格とこれに伴うインフレ期待やそれに適応する金融政策運営の在り方が景気の要になっている現状を取り上げている。
実際、全てはエネルギー情勢次第である。3月以降の状況に目をやっても、地政学リスクとインフレ期待が同時多発的に上昇する局面を前に、中央銀行は従前の基本認識を修正せざるを得ず、タカ派方向への急旋回を強いられている。
その典型例が大幅利上げへの期待が高まるECB(欧州中央銀行)である。そのECBが4月7日、「欧州の化石燃料依存が物価安定にもたらすリスク」と題したブログを公表している。
ECB役員会メンバーであるエルダーソン理事による論考であり、興味深い内容となっている。次ページで内容を検証し、日本への示唆も考察する。







