後閑:私が使う「愛」という言葉は、マザー・テレサの言葉を借りれば「無関心の反対」を意味していて、患者さんに関心を持ち、その人の関心事に関心を持つことです。これは、看護師としての専門性を持ちながらも、人として患者さんと向き合う姿勢を表しています。過去に私が患者さんの自死に直面した時に、ある恩師から「愛があれば大丈夫。この仕事を続けることが、その患者さんが残した宿題の答えを見つける道ですよ」という言葉をいただいたことも大きく影響しています。
ソファ:素敵な考え方ですね。最後に、日常的な対話の重要性についてあらためて教えてください。
後閑:療養病棟での看護は、長期にわたる患者さんとの関わりの中で、その人らしさを尊重し、日常生活を支えながら、緩やかな変化に寄り添っていく仕事です。日頃からご家族と「何が好きか」「なぜ大切にしているか」といった日常の対話が、いざという時の支えになります。いつどうなるかわからないから、元気で生きられることを期待しながら、いざという時のために考えておいて欲しいなと思っています。
*ADL(日常生活動作)
人が日常生活を維持するために最低限必要な「起居動作・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容」などの動作のこと。それらを評価する指標。要介護認定やリハビリ計画の基準にもなる。
*医療区分とは患者の医療ニーズを評価するために疾患や状態、医療処置などを分類したもの。ADL 区分とは身体機能による分類のこと。
後閑愛実(ごかん・めぐみ):看取りコミュニケーション講師 正看護師
群馬パース看護短期大学卒業後、2003年より看護師として病院勤務。1000人以上の患者と関わり、看取ってきた患者から学んだことを生かし、2013年より看護師としての経験を踏まえた看取りのコミュニケーション方法を研修・講演を通して伝えている。読売新聞医療系ポータルサイト 「ヨミドクター」 で連載『病棟ものがたり』(2025年連載終了)の原作執筆担当。著書に『後悔しない死の迎え方』(ダイヤモンド社)などがある。
群馬パース看護短期大学卒業後、2003年より看護師として病院勤務。1000人以上の患者と関わり、看取ってきた患者から学んだことを生かし、2013年より看護師としての経験を踏まえた看取りのコミュニケーション方法を研修・講演を通して伝えている。読売新聞医療系ポータルサイト 「ヨミドクター」 で連載『病棟ものがたり』(2025年連載終了)の原作執筆担当。著書に『後悔しない死の迎え方』(ダイヤモンド社)などがある。








