もちろん、ここでは髪を紫色に染めたいわけではありません。あくまで薄い紫を加えることで、黄ばみだけを抑え、透明感のあるグレイヘアに仕上げることが目的です。
こうした「目指す色とは別の色をあえて加える」という技術は、若者向けのヘアカラーを含め、さまざまなカラーリングで活用されています。
「補色」のイメージ図 イラスト:PIXTA拡大画像表示
おばあちゃんの「紫ヘア」の起源は
美容師のミスだった!?
では、おばあちゃんの髪型に話を戻します。
先ほど、おばあちゃんが紫ヘアを好むようになった理由として考えられる説をいくつかご紹介しましたが、ここでもう一つ新たな説を提唱します。
実は筆者は、「紫ヘアのおばあちゃん」が誕生した背景には、美容師側の「ちょっとしたミス」があったのではないかと考えています。
先述の通り、「補色」の理論に基づいて白髪を青白く見せるためには、「ごく薄い紫色」のカラー材を添加する必要があります。
色味としては「紫に見えないくらい」の少量が適切であり、さじ加減を誤って量が多くなればなるほど、紫色の主張が強くなってしまいます。
もしかすると美容師は、こうしたさじ加減に苦戦し、次のような失態を犯してしまったのかもしれません。
(1)あるおばあちゃんの担当美容師が、白髪に紫を添加することで「キレイな白」に仕上げようと試みた。
(2)しかし、必要な量よりも多く添加してしまった。または、作用させる時間を長く置き過ぎてしまい、色が入り過ぎてしまった。
(3)白髪の黄ばみを抑えて美しくするつもりが、完全な紫色に染まってしまった……。
(2)しかし、必要な量よりも多く添加してしまった。または、作用させる時間を長く置き過ぎてしまい、色が入り過ぎてしまった。
(3)白髪の黄ばみを抑えて美しくするつもりが、完全な紫色に染まってしまった……。
実際、この(2)の度合いは現役美容師からしても難しく、予想より紫が強くなってしまうことも珍しくありません。
しかし、常連のおばあちゃんは、意外にも「あら、素敵な紫色ね!」と大喜び。
ご近所さんや知人に会うたびにほめられ、次第に真似する方が続出。そんな風にして、美容師の“結果オーライ”から、全国的なブームになったのかもしれません。







