
呼び捨ての関係
直美は、他人の気持ちなんてわからないものであることを逆手にとって、適当な嘘(うそ)で相手を丸め込む戦法を選択している。
機嫌の悪い千佳子のもとに、夫・元彦(谷田歩)と息子・行彦(荒井啓志)が見舞いに来た。
息子は、母親がわがままで手術をしないで退院しようとしていることを心配して説得しに来たのだ。
「手術をしたところで、治る見込みは半分もないのです」
「それでも手術をしなければ、その半分の見込みすらなくなるんです」
母と子のやりとりを後ろで見ている夫。
ちょっと斜めに立っているのが、さすが、谷田歩、舞台出身の俳優だと感じる。坂口涼太郎といい谷田歩といい、少ない出番のなかで確実にいい仕事をしている。
元彦は適度なところで「いいじゃないか」と割って入る。
「千佳子の好きなカステラを買ってきた。少しは機嫌を直しなさい」と差し出して。
でも素直になれない千佳子様。夫も息子もいい人そうで、恵まれているありがたさに気づいていないようだ。
ここからは、わかりあえる仲間(仲間由紀恵のことではない、友人とか同僚とかそういうこと)がいるといいね、という流れになる。
夕方、多江(生田絵梨花)たち研修生たちが疲れて着替えていると、直美が「りん見なかった?」と探している。
「りん」と呼び捨て?とざわつく研修生たち。
多江は、いつの間にかりんと直美がいい関係になっていると感じていた。
すると喜代(菊池亜希子)が「多江」と呼び捨て。「多江照れてるー」「しのぶー」とふざけあう。ゆき(中井友望)もいつの間にか「トメ(原嶋凛)」と呼んでいた。
第37回で、バーンズ先生(エマ・ハワード)と話す直美が「りん」と呼び捨てにしたことにりんが気づいたとき、英語だったからと誤魔化(ごまか)していた直美。おそらく、みんな次第に打ち解けてきたのだろう。微笑(ほほえ)ましいスケッチだ。まるでつきあいはじめたカップルが名前をどう呼ぶか、話し合ってじゃれ合っているみたいにくすぐったい。







