夜のピクニック

 りんが、切り株のある場所でナイチンゲールの本を読みながらたそがれていると、「へ〜こんなとこあったんだ」と直美が見つけてやって来た。

 ナイチンゲール女史は観察して、患者の気持ちをわかれって言うけれど、りんも直美も患者の気持ちをわかることができない。

 苔癬(たいせん)という皮膚病の丸山の気持ちを、直美は「肌が強いから」わからない。

 りん「私も肌はきれいなほうで」
 直美「これシミじゃない?」
 りん「え?」

 ちょっとふざけたあとで、真面目な話に。

 皮膚病の患者の気持ちもわからないし、ましてや乳がんにかかった人の気持ちならなおさらわからない。漢文的にいうと「いわんや〜をや」である。

 そこでりんがいつもの「間違えた」と反省。

 以前、自分が落ち込んでいるとき同じように落ち込んでいる人がいて、その人とのやりとりのように考えたと言うりん。その人とはシマケン(佐野晶哉)のことだろう。

 直美が「友人でも家族でもない、仕事だったら同じ気持ちじゃダメなんじゃない?」と気づく。

 近しい人ではない相手の気持ちをどうやってわかるか。それが今後の課題。

 すっかり夕暮れてきたとき、ゆきたちがやって来た。

 夕飯をここで食べようと支度する。お重にはおいしそうなおにぎりやおかずが入っている。

 実は、この場所、落ち込んだとき、直美以外、みんな来ていた場所だった。みんな、それぞれ落ち込んでいて、それぞれなんとかひとりで解決しようと努力していたのだ。

 直美以外。直美だけは嘘作戦でうまくやっていたので、秘密の場所を必要としていない。ただ、彼女は彼女で長屋に母の手がかりを探しにいったり、別のことで悩んでいる。その気持ちを6人は知らない。

 すっかり仲良くなってきた7人。まるで夜のピクニック。

「勝手に押しかけてきて、勝手に一緒にいてくれて、心強い」と実感したりん。

 千佳子の孤独に思いをはせる。

 相手と同じ立場でも気持ちでもなかったとしても、自分が満ち足りていたら、そうではない人の孤独が逆にわかる、そんなこともあるものだ。

 千佳子も、夫や息子が勝手に押しかけて、勝手に一緒にいてくれているありがたさに気づくといいが。

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