専門外の介護商品を
取り扱って大ヒット

 事業領域の拡大で失敗しないためには、どうすればいいのでしょうか?そのヒントとして、アスクルの例を紹介しましょう。

 創業当初、アスクルの事業コンセプトは、中小企業に、プラス(編集部注/事務用品メーカー。アスクルはプラスの社内ベンチャーとして始まった)の事務用品を、安価で、スピーディに提供することでした。ですから、取扱商品の9割はプラスの事務用品でしたが、お客様の要望を受けて、ライバルメーカーの事務用品も取り扱うようになりました。

 さらに今では、取扱商品のジャンルは、とめどもなく広がっています。パソコンやその周辺機器、オフィス家具や収納家具、生活雑貨、キッチン用品、物流用品、電動工具、実験用品、計測機器、作業服など、仕事場でニーズがあるあらゆるものを扱っています。

 さらには、医療現場で扱うカテーテルやメス、介護施設で使う紙おむつや介護食、車イスなども取り扱っています。

 こうした事務用品以外の分野の商品は、決して脇役ではありません。アスクルが右肩あがりで急成長できたのは、事務用品以外の分野の売上も大きく伸びたからです。

 たとえばオフィスで飲むコーヒーの豆の売上は想像以上で、年間3トンも購入しているお客様の存在を知った時は腰を抜かしかけました。

 ペーパータオルやペーパーナプキン、テイクアウト用の容器など、飲食店向けの業務用商品もよく売れ、主力分野のひとつに成長しましたし、洗剤や紙おむつなどの介護施設向け商品も非常によく売れています。

 さらに、商品が売れる分野においては、アスクルのオリジナル商品の開発もしました。

 飲食店で提供するコーヒーフレッシュ、スティックシュガー、ガムシロップの容器や包装を同じデザインに揃えた商品や、花王さんと共同開発した介護施設用の洗濯洗剤「アタック消臭ストロング」など、ヒット商品も数多くあります。

地道なヒアリングで
現場のニーズを拾い上げた

 私たちが事務用品以外の売れる分野を見つけ出せた理由はシンプルで、お客様の現場で直接ご要望や課題を伺い、購入データからもお客様の隠れたニーズを見つけ出したからです。