「いつも元気なあの人が急に静かになった…」その違和感、ただの不調ではなく心が悲鳴を上げているサインかもしれません。本人が気づきにくい「心の限界」は、実は周囲の目から見ると明確な変化として現れます。職場の同僚や大切な人を守るために絶対に見逃してはならない【5つの危険信号】をご紹介。急な異変を正しく察知し、深刻化する前にそっと救いの手を差し伸べるヒントを共有します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)

【精神科医が教える】心が限界を迎えつつある人の兆候・ワースト5Photo: Adobe Stock

突然の「心の限界」を知らせる5つのサイン

今日は、「ある日突然、心が限界を迎えてしまう人のサイン5選」についてお話ししたいと思います。もう少し具体的にお伝えすると、うつ病になりかかっているなど、精神的な危険信号を発している人の見分け方です。

これまで、ご自身の自覚症状として「こうなったら気をつけましょう」というお話はよくしてきましたが、今日は「他人の目から見てどう見えるか」という視点でお伝えします。職場や外出先で「あの人、大丈夫かな」と見分ける際の参考になるはずです。

もし周囲に該当するような方がいたら、少し状況を聞いてみるなど、サポートのきっかけになればと思い、5つのポイントを挙げていきます。

1. 表情がなくなる(仮面様顔貌)

精神的に調子を崩すと、「仮面様顔貌(かめんようがんぼう)」と呼ばれる状態になることがあります。パーキンソン病などの症状としても知られていますが、うつ病などでもよく見られ、文字通り仮面のように無表情になってしまいます。

もともと表情がコロコロとよく変わる人であれば、なおさらこの変化は目立ちます。精神科の外来診察などでも、全く表情がない方がいらっしゃると「これは要注意だな」と感じます。「最近、急に表情がなくなったな」と感じる人がいれば、気にかけてみてください。

2. 言葉数が極端に減る

自分からの発言が全くなくなったり、話しかけても二言三言で会話が終わってしまったりする状態です。特にもともとよく喋る人の場合は要注意です。

実は私も過去にうつ病を経験していますが、診察の際に二言ほどしか言葉が出てこないことがありました。普段よく喋る私でさえ、言葉が思い浮かばなくなってしまうのです。極端な状態になると、それくらい言葉が出なくなります。

以前、ある経営者の方と「社内でメンタル不調の兆候がある人をどう見つけるか」という話になった際、会議での発言量や社内メールのやり取りを数値化し、急に発言量が減った人を検知できるのではないか、という話題が出たほどです。言葉数が急激に減る人は、心が限界を迎えている可能性があります。