スタートアップのバイブルとして名高い『起業のファイナンス』シリーズの最新刊として、『起業のコーポレート業務』が発売されました。オフィスの探し方や社会保険への加入、PR、反社対応、M&A・IPO準備など、総務・経理・労務・法務とEXITに関する全てをカバーする「スタートアップの実務大全」とも言える1冊で、スタートアップ以外の企業のコーポレート部門の人にも大いに役立つ内容となっています。
この連載では、主に同書の「コラム」を公開していきます。第4回は「資金調達ラウンドの細分化」についてです。
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資金調達ラウンドが細分化してしまうわけ
プレ「 」ラウンド、ポスト「 」ラウンド、「 」ラウンドエクステンション……資金調達ラウンドの細分化がここ数年で顕著になっています。このトレンドはシリコンバレーではかなり以前から見られた現象らしいのですが、日本で起こっている背景について考察してみました。
理由1:市況
2022年以降、資金調達環境が軟化しており、スタートアップの想定しているValuation(株式価値)で、想定している金額を集めにくくなっています。
理由2:ピボット
前のラウンドで想定していた通りに事業が進捗せず、ピボットをしたもののPMFを達成しきれずにランウェイが尽きて中途半端な状態でラウンドを迎えてしまう。プレ「 」ラウンドになるケースの大半を占めます。シリーズA前の「死の谷」にてよく起こる現象で、ポストシードラウンドとも呼ばれたりします。
理由3:目標調達額未達
ラウンドを組んでみたものの、想定より集まらず、時間がかかってしまっているケースです。「 」ラウンドエクステンションとなるケースがこちらにあたることが多く、資金調達にリソースを奪われ続けるため、事業進捗にも悪影響を与えがちです。
などの複合要因が考えられます。
また、同ラウンドでも1st・2nd・Finalなど複数回に分けて資金調達を実施するケースも増えています。
たとえば、「プレAラウンド2ndクローズ」という名称だと、「何がAラウンドと違うんだ? 1stと2ndで条件も異なるの?」と投資家に思われます。
投資家にタッピングする際に派生ラウンドを組んでいる理由を聞かれる可能性が高いので、どのような呼称であれ、理由や背景を明確に回答できるように準備しておきましょう。



