対話の相手が上司になると
なぜ色々考えてしまうのか

「こんなことを言ったら批判されるかもしれない」「否定されるかもしれない」「誤解されるかもしれない」「評価が下がるかもしれない」「嫌われるかもしれない」……。

 なぜ、対話の相手が上司になると、こうも色々と考えてしまうのでしょうか。

 上司はあなたに対する現実的なポジションパワー(人事評価・人員配置・指導・称賛・注意・抜擢など)を会社から付与されている存在だからです。

 たとえば、あなたが社外で他社の部長と会ったとしても、自社の部長と業務上接する際の緊張感は感じないはずです。なぜなら、同じ部長職でもそこにポジションパワーが存在しないからです。

 影響力を持つ相手だからこそ、摩擦や対立につながる可能性がある対話を避けたくなります。

 しかし、上司の立場になって考えてみると、部下との対話がないと困ることが分かります。

 多くの上司は、組織運営を最適化し、成果を創出するために、部下の情報を必要としています。部下が何を思っているのか、仕事上の困りごとはないのか、どういう仕事に喜びを感じるのか、どのような未来を望んでいるのか……何がストレスになっているのかが分からないと、組織やメンバーをどのようにマネジメントしていいのか分かりません。

 上司の持つポジションパワーは、部下への抑えつけではなく、「組織を良くする」「メンバーの成長を支援する」ためのものです。そのポジションパワーを敬遠するのではなく、自分の可能性を広げるために使うことができれば、双方のゴールを実現することも十分に可能です。

 上司がどうしていいのか分からなければ、状況が変わることはありません。