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*本記事はきんざいOnlineからの転載です。
米国建国時から欧州とは対立構造に
ドナルド・トランプ米大統領は2025年に新国家安全保障戦略を公表した。これは、西半球の軍事力を強化する方針を示したもので、「ドンロー主義」(トランプ版モンロー主義)を具現化したものとされている。特に注目されるのが、欧州に対する強硬姿勢であり、その一環としてグリーンランド買収要求がある。
トランプ大統領によるベネズエラ大統領拘束やグリーンランド買収要求は、荒唐無稽に見えるかもしれない。しかし、これらは米国の伝統である西半球重視の政策によるものであり、同様の事象は過去にも存在した。
米国のDNAは「欧州との決別」にある。米国の孤立主義の伝統は、建国時にさかのぼる。欧州のプロテスタントの多くは17世紀以降、理想のキリスト教国家を造るべく、専制君主を頂く帝国主義国家同士で戦争を繰り返す欧州と決別して北米大陸に移住した。まず、英国で迫害されたピューリタンが1620年に北米に渡航し、新世界を開拓した。その後、欧州の階級社会や貧困から逃れるために、多くの人々が自由とアメリカンドリームを求めて移住してきた。
米国東部では、プロテスタントを中心に植民地が建設された。英国による植民地建設は17世紀ごろに始まり、13の植民地が東海岸に作られた。重税に苦しんだ植民地13州は、1776年に世界最強の大英帝国に勝利して独立した。1823年にはモンロー宣言で米欧相互不干渉を国是とした。米国は、国王や貴族が支配し植民地を搾取する欧州の絶対王政や帝国主義と決別し、世界初の民主主義国家と成文憲法を作った。







