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*本記事はきんざいOnlineからの転載です。
米国を起点とした国防費増大の背景
ロシアのウクライナ侵攻の長期化と2025年のトランプ大統領の再登場で、世界的な地政学リスクが高まっている。その結果、世界的に国防費が増加しつつあり、これが株式市場にも大きな影響を与えている。
イスラエルのガザ侵攻、米国とイスラエルによるイラン攻撃も歴史に残る軍事衝突となった。北朝鮮の核開発、中国による対台湾強硬姿勢なども、世界の安全保障情勢にとって大きな不安要因である。これらは、いずれも民族、宗教などが複雑に入り交じるハートランド周辺地域にあり、対立は容易には終わらないと考えられる。
13年に、バラク・オバマ大統領は「米国はもはや世界の警察官ではない」と宣言した。警察官がいなくなれば、必然的に治安は悪化する。世界の国防費は21年の333兆円から24年の401兆円に20.4%増加した。
戦後、米国は朝鮮戦争(1950~53年)、ベトナム戦争(60~75年、米国介入65年)、湾岸戦争(91年)、イラク戦争(2003年)、アフガン戦争(01~21年)など大規模戦争を経験した。国防費対GDP(国内総生産)比では、朝鮮戦争時の1952年の13.9%がピークである。国防費のピークは、2010年の155兆円であり、世界全体の51%を占めた。
24年における世界の国防費のうち、米国は約36%を占める(図表)。トランプ大統領は、27年度の国防費は225兆円(対GDP比4.5%、GDPはIMF推計)とすべきと発言した。さらに、同盟国に対して、対GDP比5%以上の国防費の支出を求めている。








