上司に「特に困ったことはありません」と
言い続けた40代社員の末路

 ところが数年後、Eさんは昇進や新しい役割の話がほとんど出てこないことに違和感を覚えます。評価は毎年真ん中くらいで低いわけではない。叱られているわけでもない。ただ、同期が昇格していく中で、「次を任せたい人材」として声がかからないのです。子供の進学や住宅ローンなどもあり、ポジション・給与の現状維持では若干不安があります。

 思い切って上司に理由を聴いてみると、返ってきたのは意外な言葉でした。

「Eさんは与えた仕事はきちんとやれているけど、リーダーを任せるには自分から問題提起を行う姿勢が少ないと感じています。昇進や新たなキャリアを希望しているということも聴いていなかったので、現状のポジションに満足しているのかと考えていました」

 Eさんにとっては、まさに寝耳に水でした。「そのようなギャップがあるなら、もっと早く言ってほしかった」とEさんが肩を落とすのも無理はありません。

 不足している点を明確化せずお茶を濁して真ん中の評価をつけ続けた上司にも問題があります(評価の中心化傾向・寛大化傾向と言います)が、Eさんとしても「昇格・昇給して家族のためにも稼ぎたい」「同期と比較して不足している点があるのか」と対話してこなかった点は問題です。

 Eさんは自分の考えや希望を言語化していなかった。上司は期待を言語化していなかった。その結果、両者の間にギャップが生まれてしまいました。

 一方で、同じようなモヤモヤを抱えながらも、そこから抜け出した人たちもいます。