今年4月、台北市で開かれた国際展示会の「EV台湾 2013」。第3回目となったこのイベントが目指すのは、台湾の“お家芸”であるパソコン分野の「コンピューテックス(COMPUTEX)」のEV(電気自動車)版だ。会場には112社がブースを展開し、2万人を超える来訪者(併設イベント合算数)らを、色とりどりの電気自動車や電気スクーターらが会場を彩った。今回、本誌はEV分野でユニークなビジネスに挑む台湾企業をいくつか訪ねることができた。その一端を紹介したい。
パソコンから電気自動車へ
移行続く台湾電子部品業界
アップルに続く成長エンジンは、電気自動車だ――。
パソコンやスマートフォンのリチウムイオン電池のパックメーカーの世界大手「新普科技(SIMPLO)」は、この10年間で急成長を遂げてきた企業だ。2001年から11年の10年間で、売上高は25倍以上の約483億台湾ドル(約1449億円、1台湾ドル=3.0円換算)に。その原動力になったはノートパソコンとスマートフォン、タブレット型端末など電子機器だ。現在も売上高の90%以上をパソコン分野で稼いでいる。
特にアップルは同社の大口顧客の一つだ。今夏にも発売されるといわれている新型のiPhoneを始め、同社の世界的ヒット商品に電池パックを大量供給している。