届かなかった情報、知らされなかったリスク
私は当日まで、知華が「抗議船」に乗ることなど全く知りませんでした。そのためニュースを見た瞬間、「生徒がこれに乗っているはずがない。心肺停止で運ばれたのは人違いだろう」とさえ思ったのです。それほどまでに、保護者への情報は不足していました。
毎年、保護者に詳細なコース説明がない理由として思いつくのは、
・疑問や批判が出るから、詳細は説明したくない。
・全くリスクだと思っていないから説明不要と思っていた。
・そもそもコースの内容を教員が知らない。
いずれであっても大問題ですが、これら以外に何か正当な理由があったのでしょうか。
知華自身も、このコースの背景をほとんど理解していなかったようです。妻が「なんで辺野古を選んだの?」と聞いた際、彼女はこう話していました。 「美ら海水族館に行きたいんだけど、美術館で怖い絵を見るよりかは、お友達と綺麗な珊瑚礁を見る方が楽しそうじゃん」
【Fコース】ボートに乗って海から辺野古を見る → 美ら海水族館
彼女にとっては、ただそれだけの純粋な選択でした。
2025年6月 HSS初日 学生証を受け取り喜ぶ知華 写真は「辺野古ボート転覆事故遺族メモ」より
2025年8月 ハーバード大学内にて 写真は「辺野古ボート転覆事故遺族メモ」より
もし
もし、私が「辺野古・ボート」という単語にもっと敏感に反応できていたとしたら。
もし、私が過去の研修旅行のレポートや写真を検証する手間をかけていたとしたら。
もし、私が先生にボートの発着場所やルートを確認していたとしたら。
もし、私が……。
考えていくとやりきれない思いです。妻は今も自分を責める声に押しつぶされそうになっています。でも正直、当時の私たちが疑問を持つには、私たちが学校を信頼しすぎ、そして提供されていた情報があまりに少なすぎました。







