大人になってから、「この人は気配りができる」「相手の立場で考えられる人だ」と思われる人には、ある共通点がある。それは、生まれつき思いやりがあることではなく、自分の行動が周りの人にどんな影響を与えるのかを、子どもの頃から少しずつ学んできたことだ。では、その力はどのように身につければよいのだろうか。話題の書『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』から、そのヒントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「傘の使い方」で見落としていたこと
「傘の持ち方まで、きちんと教えたことがなかったんです」
小学1年生の息子を育てる知人から、こんな話を聞いた。
ある雨上がりの日、息子さんと駅の階段を上っていたときのこと。息子さんは、閉じた傘の真ん中を握り、地面と平行にして持っていた。
歩くたびに、傘の先が大きく前後に揺れる。
知人が慌てて傘を下に向けさせると、すぐ後ろを歩いていた人の顔の近くまで、傘の先が迫っていたという。
「危ないから、傘の先は下に向けて持って」
そう注意すると、息子さんは不思議そうな顔で答えた。
「でも、振り回してないよ」
息子さんとしては、ふざけていたわけではない。
ただ、自分の後ろにいる人から傘の先がどう見えているのか、想像できていなかったのだ。
知人はそれまで、「傘を振り回さない」「人に向けない」とは伝えていた。
しかし、閉じた傘をどのように持てば安全なのかまでは、具体的に教えていなかったという。
傘は、雨をよけるための便利な道具である。
一方で、使い方を間違えれば、先端が人にぶつかったり、しずくで周囲をぬらしたりすることもある。
大人にとっては当たり前の持ち方でも、子どもは誰かに教わらなければわからない。
「危ないからやめなさい」と叱るだけではなく、なぜ危ないのか、どう持てばよいのかまで具体的に伝える。
傘の使い方を教えることは、自分だけでなく、周りの人の安全にも目を向けられる子どもに育てることなのである。
「正しい傘の使い方」を覚えよう
親子でさまざまな「おやくそく」を学べる本『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、安全のためのルールや良い生活習慣など93個がわかりやすく紹介されている。
「かさを ただしく つかおう」もその一つだ。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用拡大画像表示
・まわりに ひとが いないのを たしかめて かさを ひろげる。
・かさで まわりが みえなくならないよう ちゅういする。
・かさを あけしめするとき ほかの ひとに しずくが かからないようにする。
・つかいおわった かさは ひろげて かわかしてから しまおう。
(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)
子どもに「周りに気をつけて」と言うだけでは、何をどう気をつければよいのかまでは伝わらない。
傘を開く前に人がいないか確かめる。視界をふさがないように持つ。しずくが周囲にかからないようにする。
こうした具体的な行動を一つずつ教えることで、子どもは初めて、自分の行動が周りの人に与える影響を理解できるようになる。
傘の使い方を教えることは、単なる雨の日のマナーではない。
自分だけでなく、周りの人の安全や気持ちまで考えて行動する力を育てることなのである。
(本稿は、『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』の発売を記念したオリジナル記事です)








