増えにくい資産構造のままでは、「安心して使える状態」に到達しにくいからです。
だからこそ、ここで扱う「うまく使う」というテーマは、「贅沢をしよう」という話ではありません。
増やし方と使い方を一体で考え、資産を人生にどう還元していくかを整理すること。それが、日本人が本来手にできたはずの豊かさに、ようやく手を伸ばすための出発点になるのだと思います。
アメリカ人は資産を
増やしながら使う天才
さて、先ほど紹介した米国の家計金融資産は3倍以上に増えたあと、どうなっているのでしょうか。少なくとも一般家庭の場合、運用した資産の多くが残ってしまい、相続に回されるということはあまりないでしょう。
日本では「使うこと」に心理的ハードルがあり、運用しても“使わずに終わる”ケースが少なくありません。私が常々強調している「お金を使うこと自体が社会への還元であり、資産運用のゴール」という考え方は、米国の資産形成文化では当たり前のことになっています。
「そんなに増やした資産を米国人は何に使っているのですか?」と聞かれることがあります。そこは増えた資産を“どう使うか”を常に考えている米国人と、使うのが苦手な日本人の文化の違いもあるかもしれませんが、その内容を見てみましょう。
私が見る限り、米国人は増やしながら使う天才でもあります。
もちろん、老後2000万円問題ではありませんが、彼らにとっても老後生活をいかに豊かに幸せに暮らすかが、最大のお金の使い方なのです。しかし、それだけではありません。彼らの6つのお金の使い方についてご紹介しましょう。
(1)老後の生活水準を上げる:自分のために使う
彼らは、運用したお金は「自分のために使うんだ」というはっきりした意思を持っています。
米国は自助努力型(self-help)の社会保障制度ですから、公的年金が日本ほど手厚くありません。そのため、運用で増やした資産を退職後の生活費、趣味・旅行、セカンドハウス利用などといった自らの生活の質(Quality of Life)を引き上げる支出に積極的に使います。







