運用は「将来の安心」を買うための行為であり、使う前提で資産形成をしている点が日本と大きく異なります。

「教育は最高の投資」という
価値観が徹底している

(2)住宅資金:不動産と運用の両輪

 米国でも、住宅購入は最も重要なライフイベントです。日本以上に、買い替え、住み替えが多い国ですから、運用資産の一部を適宜、住宅資金の頭金として使ったり、住宅ローン返済に活用したり、住み替えやダウンサイジングの費用などに使います。

 日本では、一度自宅を購入すると頻繁に売買することはあまりないですが、米国は、住宅そのものが運用資産として流通しやすい市場であるため、不動産と金融資産の両輪で資産形成が行われています。

 上がれば売って収益を得て、もっと小さな家に住み替える、郊外に住み替える、といったことも多く行われています。

(3)教育投資:子ども・孫への投資

 米国では教育費が極めて高額です。1年で1000万円もの学費がかかる大学も少なくありません。子どもたちは奨学金などを使って、自分でも学費を調達しますが、親も補助をすることが多く、運用資産の大きな使い道となります。

 子ども(孫)の大学進学資金(年間400万~800万円は普通)、大学院進学資金、留学費用、529プラン(教育資金の非課税口座)による積み立てなどがその代表的な例です。

 米国では、「教育は最高の投資」という価値観が徹底しており、増えた資産を喜んで“人への投資”に充てるという傾向が強くあります。そのため、自分の子どもだけでなく、孫への補助なども惜しみません。

(4)事業投資・転職・起業の原資

 米国はキャリアの流動性が高く、1つの会社に終身雇用で勤めることは稀です。また、会社員として勤めたあと、自分で起業して会社経営をし、また会社員に戻るなど、キャリア形成の柔軟性も日本とはかなり違います。

 そして、30歳あるいは40歳前後で、キャリアアップ、キャリアチェンジなどさまざまな理由で、再度学び直す人も多くいます。