「AI任せの若手社員」は1年経っても成長していない
加藤昌治(以下、加藤) たしかに。AI登場前なら、上司に成果だけを見せれば良くて、途中をどうやったかはあんまり聞かれなかったと思うんです。
なぜなら、どうやったらできるかは上司の方が知っているから。わざわざ聞かなくても「こうやったんだろうな」とわかるから、過程はあえて聞かなくても成立していた。
でもこれからは、その過程というか成果にたどり着くための道筋自体に、その人の能力や個性が現れてくるわけですよね。
石井 「とにかく答えが出ればいいじゃん」と言う若手も多いんですけど、1回2回はよくても、1年経った時に差が出ます。
普通は、同じ仕事をしていくと螺旋階段を登るようにちょっとずつレベルが上がりますよね。でも全部AIでやっていると、その人自身のスキルは1年経っても同じままです。ファーストフロアをぐるぐる回っているだけ。それだと2年目、3年目になっても、新入社員と同じことしかできません。
社会人最初の2、3年は失敗しても怒ってもらえます。でも5年も経ったら、怒られもせずに見捨てられます。そこで焦っても遅いんですよね。
過程まで報告するとなると手間は増えるわけですが、AIを使うことで全体の作業時間は短くなるはずですから、その分を、過程を考えたり報告したりすることに使ったとしても、そこまで全体の負担は増えないと思います。
デキる上司ほど「過程」を聞いている
加藤 上司の側としても、その過程をどう評価するのかという問題はありますが、これからは過程までちゃんと聞くのが、部下指導の要点の一つになるのだな、と理解しました。
そこまで聞く必要があるのか~と、人によっては「面倒くさい」と感じてしまいそうですけど、言い換えれば、その過程こそ思考であり、アイデアを探索するための型。そんな型を持っていると、異なる問題やタスクに対してもいいパフォーマンスを出せる。
であるならば、型を固める目的を秘めつつ「なんでこうやったの?」「どういうプロンプトを使ったの?」と、過程を一つひとつ聞いて言語化することが大事になりそうですね。



