同園がユニークであったのは、入園者の7割が集中する2~6月は高めの入園料に、一方暑い7~8月は何と無料にしたことである。入園料は無料でも、園内にある食事処やおみやげを買ってもらう仕組みは充実させた。
こうしたダイナミック・プライシングによって、年間30万人を切っていた入園者数は、倍増した。すなわち、季節性のある植物の宿命には逆らわず、むしろ、他の収益源を作り出すことによって、年間の売上高の平準化を図ったのであった。
洗濯物を「客に入れさせない」で
機械の稼働率が5倍に
コインランドリーに関しては、利用者側も運営側も、それぞれがトレード・オフに悩んでいた。
利用者側では、洗濯が終わる頃に、店をもう一度訪問しなくてはならない。早く行きすぎるとまだ洗濯中であり、遅すぎると、誰かに洗濯物を出されてしまっている場合もある。さらに乾燥機も、最適な時間を前もって知ることができないため、まだ乾いておらず、再度コインを投入しなくてはならないこともよくある。
一方運営(店)側においては、繁忙期と閑散期があり、繁忙期には洗濯機がフル稼働のため客を逃す機会損失が、閑散期には稼働しない資産を持つことによる固定費に悩んでいた。
この両者のトレード・オフを解決したのが、2012年に設立された、コインランドリー、洗濯代行、ドライクリーニング事業を営むライトンである。ライトンが考えたのが、顧客が自分では洗濯機に投入しないシステムであった。
北海道を拠点とするライトンの店舗(ジャバリン:Jabba Ring)では、コインランドリー機器が並んでいるだけでなく、洗濯物を受け付ける有人カウンターがある。ここで行っているのが、洗濯・乾燥のすべてをお任せできる「アラワサッタ」のサービスである。
『トレード・オン思考 トレード・オフを乗り越える「第3の道」』(山田英夫、KADOKAWA)
カウンターで洗濯物を預けると、お店の都合の良い時間に、店の人が手動で洗濯物を洗濯機に入れる。洗濯が終了すると、店側で乾燥まで行い、終了するとメールで連絡が入るため、利用者には無駄な待ち時間はない。
実は、ライトンは店の裏側で業務用のクリーニング業を行っており、ホテルのタオル・リネンなどを、店頭とは別の洗濯機で洗濯している。店頭で預かった洗濯物は、裏側の洗濯機が手余りの時に処理するので、追加の設備は必要ない。さらに本業のクリーニング業でのノウハウを生かし、乾燥時間も無駄なく管理されている。
こうしたライトンの仕組みによって、洗濯物を預ける利用者にとっては、安い価格で洗濯物が綺麗になり、無駄な待ち時間が発生しない。他方運営側にとっては、業務用クリーニング業を兼業していることによって、繁閑のギャップを吸収し、効率的な運営が行われている。
一般に、無人コインランドリーの稼働率は10%と言われている。一方、ジャバリンの稼働率は50%であり、顧客と運営側の両方のトレード・オフが解消されているのである。







