Illustration:PerfectL00P for WSJ
エマ・カンジョースキさんは、自分が高度な人工知能(AI)ユーザーだとは思っていない――少なくとも、2026年に卒業予定の一部の同期生と比べれば。彼女はバーモント大学在学中の大半において、近道をしたくないという理由からチャットボット「チャットGPT」を使わずに過ごした。
しかしやがて、情報量の多い財務報告書の解析やデータ処理にAIが役立つことに気づいた。4年生になるころには、経営学専攻のカンジョースキさんはケーススタディーの内容を確認するためのAI活用法を下級生にアドバイスしたり、AIが提示する結果をAI自身に検証させる「サニティチェック(健全性チェック)」のプロンプト(指示文)の作り方を教授に教えたりするまでになった。
この夏からバーモント州バーリントンの保険会社で財務アナリストとして働き始めるにあたり、今ではAIが自分の強みになり得ると考えている。この職は約40社に応募した末にようやく得たもので、幸運だったと感じている。「他の人がAIへの理解を深めたり、日々の業務にどう組み込むかを考えたりする手助けができる存在になりたい」とカンジョースキさんは語った。
いよいよ「AI世代(クラス・オブ・AI)」が社会に出る。学生時代から生成AIに慣れ親しんだ、最もAIネーティブな卒業生たちが労働市場に参入しようとしており、企業側はこの新たな人材をどう扱うべきか既に頭を悩ませている。彼らが大学生活を始めたのは、チャットGPTが世界に衝撃を与えたわずか数カ月前のことだった。そして今、かつてキャリアの確かな出発点とされていたエントリーレベルの仕事のあり方を急速に塗り替えつつある中、彼らは大学を卒業する。
以前の世代と比べ、彼らは急速に進化するテクノロジーを直感的に使いこなす柔軟性を備えており、単調な雑務に従事して経験を積まなければならないという考えにもほとんど縛られていない。ギャラップとルミナ財団が米国人約6000人を対象に実施した最近の調査では、2年制または4年制の学位を持つ18~24歳の22%が、AIが主導する雇用市場で競争する「準備が十分にできている」と回答した。これは他のどの年齢層よりも高い割合だった。







