お試しから活用の段階へと入った生成AI。仕事のマッチングサイトからは、個人がAI活用で稼ぐ道筋が見えてきた。特集『生成AI 大進化』の#15では、国内最大級のマッチングサービスのAI案件の件数と単価のデータから浮かび上がる、最新トレンドを紹介しよう。中には「月31万円」を稼いだ実績のある“手軽”なAI案件もあるという。(ダイヤモンド編集部 小栗正嗣)
生成AI出現で変わる副業マーケット
2023年上期から新フェーズに移行
副業、在宅ワークなどでこなせる仕事を探す個人と発注する企業をつなぐクラウドワークス。ワーカー数655万人、クライアント企業数99万社を擁する国内最大級のマッチングサービスのデータは、仕事の明と暗を如実に映し出す。
ChatGPTが華々しく登場したのは2022年11月。23年に入ると「これからは生成AIが来る!」と一大ブームを巻き起こすことになった。
下図は、クラウドワークス全体におけるAI案件(AIを使ってもいいとする仕事の発注)の契約数と単価の推移だ。
23年上半期から契約数が右肩上がりに増える一方、仕事1本当たりの平均契約単価は落ち着きつつある。ChatGPTの普及、一般化の動きを裏打ちする。
「生成AIを試してみよう、触ってみようという段階から、現在、具体的な利活用の段階に入ってきた」(吉田浩一郎・クラウドワークス代表取締役社長兼CEO)というのである。
生成AIによるリアルな影響を、次ページでさらに詳しく見ていこう。生成AIが最も得意とする文章作成、記事執筆などのライティングの仕事はどうなったのか。クラウドソーシングサービスのデータは、副業マーケットにおける大変化を浮き彫りにする。