仕事ができる人は、部下に向かって絶対に言わないことがある。
優秀なマネージャーは、「少しだけ演技」する。あえて「演じること」を選べば、「部下に信頼される」「会社に評価される」「自分も疲れない」職場になる。そんなリーダーの実践的なふるまい方をまとめたのが、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』(本田淳也著)である。本稿では、同書の内容を一部抜粋して紹介する。

「仕事ができる人」が部下に絶対に言わないこと・ワースト1Photo: Adobe Stock

部下に言いにくいことを話すしんどさ

上司から「経費を削減してくれ」と指示を受け、一度は部下に伝えた。
でも、なかなか守ってくれない。
消耗品を必要以上に使っているし、使っていない部屋の電気もついたまま。

もう一度言わなきゃいけない
――そう思うと、気が重くなりますよね。

「またですか」と思われるかもしれない。

でも、伝え方を少し変えるだけで、ずいぶんラクになります。

「会社のため」とは絶対に言わない

「会社の方針だから」「無駄を減らさないと困る」
――こう言われても、部下の心にはなかなか刺さりません。

人は、自分に関係のないことには動きにくいものです。

自宅では電気を消すのに

たとえば、使っていない部屋の電気。
自宅では当たり前のように消しますよね。
それは、電気代が自分のお金から出るからです。

でも会社では疎かになる。
なぜなら、自分のお金ではないから。
この感覚のズレが、経費削減を難しくしています。

「意味」をきちんと説明する

会社が経費を削減する理由は何か。
利益を出すため。
では、利益を出す理由は何か。

物価高の今は、「みんなの給与を上げるため」です。

電気代を削減する→経費が減る→利益が出る→給与に反映される。
この流れは、部下にとって「自分ごと」です。

たとえば、こんな言い方があります。

「使っていない部屋の電気、前にも伝えたけどなかなか徹底できていないよね。でもこれ、削減できた分がそのまま利益になって、結果的にみんなの給与にもつながってくる。家で電気代を節約するのと同じように、会社でも協力してほしいんだ」

叱責ではなく、同じ方向を向いた声がけになる。
上司にとっても、言いやすくなるはずです。

自分の給与が上がるなら、取り組みやすい

経費削減が「会社の都合」ではなく「自分の給与」につながると分かれば、部下も動きやすくなります。

言いにくいことを、言えるようにする。
そのヒントは、指示の「その先」にあります。
経費削減の向こうに何があるかを伝えるだけで、あなたの言葉はずっと届きやすくなります。

(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)