車を使わない低所得世帯には恩恵が小さい一方で、食料品などの値上がりは重くのしかかる(写真はイメージです) Photo:PIXTA
4月の消費者物価上昇率は
「2.5%程度」だった可能性
総務省が5月22日に発表した4月の全国消費者物価指数(CPI)では、総合指数の前年同月比は1.4%上昇、生鮮食品を除く総合も1.4%上昇にとどまった。実質賃金の算定に用いる「持家の帰属家賃を除く総合」も、前年同月比1.4%の上昇だった。
しかし、ガソリン補助金などの政策効果がなければ、4月の消費者物価上昇率はもっと高かったはずだ。
同省統計局の「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年4月分」には、ガソリンの暫定税率廃止及び政策による効果の寄与度[試算値]が示されている。
それによると、ガソリン価格補助政策は、4月の総合CPIを0.87%ポイント押し下げた。内訳は当月分がマイナス0.92%ポイント、前年分の剥落がプラス0.05%ポイントで、差し引きマイナス0.87%ポイントだ。
従って単純に計算すると、補助や減税などのガソリン関連政策がない場合の4月の消費者物価の対前年同月比上昇率は、1.4%+0.87%=2.27%となる。
なお、ガソリンだけでなく、灯油も含むエネルギー全体の政策効果を見ると、総務省の試算ではマイナス1.08%ポイントだ。従って、エネルギー関連の政策効果を全て除けば、4月の消費者物価の対前年同月比上昇率は、1.4%+1.08%=2.48%だったことになる。これはかなり大きな影響だと考えざるをえない。
物価対策は経済のさまざまな個所にゆがみをもたらしている。その一つは、公的年金の物価スライドで年金生活者の年金実質額が減っていることだが、ほかにも同じ問題はある。
政府は6月3日、ガソリン代の補助に加え、7~9月期から再開する電気・ガス代補助などのための総額3.1兆円の26年度補正予算を閣議決定したが、その負担は将来世代にも回ることになる。







