1兆800億円の補助金予算で、いつまでガソリン価格などのこれ以上の高騰が抑えられるのか(写真はレギュラーの価格が200円を超えるガソリンスタンドの価格表示=3月15日、長崎市) Photo:JIJI
「1兆円ガソリン補助金」開始
効果はどこまで期待できるか
ホルムズ海峡封鎖など、イラン情勢を受けたガソリン価格高騰への対策として、政府は3月19日からガソリン補助金を始めた。ガソリン補助金は、レギュラーガソリンの全国平均価格のうち1リットル=170円を超える部分について補助を行うものだ。ガソリン以外にも軽油、重油、灯油、航空燃料も対象となる。
その予算には補助金基金の残り2800億円が充てられているが、新たに2025年度予算の予備費約8000億円が追加された。予算の追加を通じて、政府は原油価格高騰と補助金制度の長期化に備える。また、予算が枯渇することで補助金が早期に打ち切られるとの個人、企業の不安を緩和する狙いもある。
では実際、1兆800億円の補助金予算で、いつまでガソリン価格などのこれ以上の高騰が抑えられるのか。
今後の原油価格上昇、1リットル当たりの補助金額などの三つのシナリオの下で、補助金予算がいつ枯渇するのかについてシミュレーションを行った。
原油価格の上昇が現状水準でとどまり、補助金が1リットル当たり30円(3月26日からは1リットル当たり48.1円に引き上げ)先行き一定の場合は、補助金予算は7月に枯渇する見通しだ。
さらに原油価格上昇が今後も続き、その分、補助金も増える“悲観シナリオ”では、補助金予算は6月に使い果たすことになる。
予算額を積み増すことは可能だろうが、そうなればそうなったで、財政悪化懸念などから円安が進み輸入価格がまた上昇する恐れがある一方で、補助金長期化が脱炭素などの本来必要な取り組みを遅らせるということにもなりかねない。
いずれにしても、ガソリン補助金や備蓄原油放出による価格抑制には限界があることや、長期化が新たなひずみをもたらすことへの注意が必要だ。







