演出家としての麻生氏が画策しているのは、玉木雄一郎代表率いる国民民主党の連立政権入りだ。現に、5月18日、鈴木幹事長が記者会見で「国民民主党が連立に加わることが望ましい」と秋波まで送っている。

 玉木氏もこれまでのように、高市政権については離れ、離れてはつくという形を長く続けることは難しく、仮に連立入りを決断すれば、国民民主党と太いパイプがある麻生氏は「帝王」としての権力を今以上に操れるようになるだろう。

 他方で、日本維新の会の存在感は薄まる。現在、自民党と日本維新の会の間には、「衆議院定数1割削減」と「副首都構想実現」という大きな課題が横たわっているが、もしこの問題で決裂し、「維新外し」が生じたとしても、国民民主党が加わってくれれば、衆議院はもとより参議院でも過半数を維持できる。

 国民民主党の連立入りには、支持母体である連合の反発が予想されるものの、連合が4月に実施した組合員アンケートでは、支持政党の1位が国民民主党、2位が自民党となって、本来であれば支持すべき政党であるはずの立憲民主党と中道は、2党の後塵を拝した。

 つまり、連合の組合員でさえ、国民民主党と自民党支持に傾斜しつつあり、両党の連立に強いアレルギーはないと見ていい。

 早ければ、特別国会後の今夏、国民民主党の連立入りが大きく前進し、秋の臨時国会前に予想される内閣改造では、日本維新の会と国民民主党から閣僚が入る形で連立政権が誕生するのではないだろうか。

麻生支配を脱する高市の起死回生策はただ1つ

 これまで述べてきたように、今の永田町は「帝王」を軸に政策が決まり、連立の再編成まで起きようとしている。

 それどころか、高市首相をめぐるさまざまな風聞や臆測が永田町で飛び交うようになっている。

 今年1月、衆議院を解散して勝利を収め、「ようやく独り立ちできる」と意気込んでいた高市首相にとっては、多くの誤算に直面する日々ではないかと推察している。