【視点3】
格差拡大の視点
ここまでの考察は日本経済の問題点をデフォルメしたものです。極端な話にもみえますが、読者のみなさんの腹落ちする視点であることも事実だと思います。
だとしたら日本人が豊かになるためにやるべきことは「働くことではなく、資本家になること」だということが結論になります。
たとえ金融資産1億円は無理だとしても、もし読者のみなさんのうち大企業に勤務している40代の方なら、2000万円ぐらいの預貯金は手元にあるかもしれません。
それを銀行ではなく日経平均に投資したら、今年年初から直近までに35%、つまり700万円を稼いだことになります。
「いやいやそこから税金がかかるでしょう?」と思うかもしれませんが、そこも株のほうが安いのです。
株の場合は儲けた利益に対する税率は約20%と低率です。一方で額に汗して働いて稼いだ700万円の年収には所得税、住民税、社会保険料がかかり、家族構成などによって負担率は変わるものの、合計で25%ほど引かれてしまうのが昨今の風潮です。
つまり普通よりもちょっと裕福な日本人なら「働く儲けよりも投資をしたほうの儲けのほうが大きくなる」という事態が現実に起きているのです。
にもかかわらず、日本人はまだまだ株式投資には後ろ向きです。おそらく理由がふたつあって、ひとつの理由はリスクについてよく知らないことです。
今の大人の世代は高校、大学でお金のリスクについての教育を受けていないので、株式投資のリスク、なかでもインデックス投資のリスクがどこにあるのかわかっていない。わかっていないから怖くて投資などできないわけです。
そしてもうひとつの理由は、多くの日本人にとっては余裕資金がそれほどないということです。
さきほど若い世代の平均預金額として600万円という数字を使いましたが、これは富裕層も含めた平均です。経済的にはそれよりも中央値が実体を表すといわれるのですが、この世代2人世帯の預金額の中央値は約150万円程度。つまり半分以上の世帯には投資に回すお金がそもそもないのです。
結果として日経平均の上昇によっておきることはふたつ。日本人の間での貧富の格差が広がること。そしてもうひとつは日本人が頑張って働いた成果である株主利益の相当部分を外国人が持っていってしまうということです。
これがいいのか悪いのかというと「これが世界経済のルールだ」としか言いようがないのです。正しい結論として確信をもっていえることはただひとつ。「このルールだと、たとえ日経平均10万円になっても日本人の大半は豊かになれない」ということだけなのです。








