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独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は6月1日、北海道新幹線青函トンネル前後の共用走行区間(明かり区間)における時速260キロでの営業走行に向けた走行試験を、6月2日から11月26日にかけて実施すると発表した。北海道新幹線は新青森~新函館間約149キロの半分以上、青函トンネルを挟んだ約82キロで在来線貨物列車と線路を共用している。うち青函トンネル内約54キロでは既に、2024年度から一部列車に限り時速260キロ運転を行っているが、今回の試験は地上区間28キロを対象とするものだ。一般的な感覚では、トンネル内の対応の方が難しいように思えるが、なぜ明かり区間が後回しになったのか。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
航空機との競争で
速度向上が不可欠に
新幹線の安全思想は、障害物の侵入を排するため独立した専用線路を走行するのが前提だ。高速走行中に障害物に接触・衝突すれば被害は甚大であり、非常ブレーキをかけても減速、停車には時間がかかる。そのため新幹線は、線路内に障害物を侵入させない専用線路、異常時は即座かつ自動的に列車を停止させるシステムで安全を確保している。
その結果、新幹線の列車事故発生率は百万キロあたり0.001件で、在来線の同0.012件の10分の1以下だ。つまり、在来線との線路共用は新幹線のメリットを失いかねないリスクなのである。貨物列車は旅客列車よりさらに事故発生率が高く、近年も機関車の車軸折損や貨車分離による脱線が発生している。
トンネル内の高速化は空気との戦いだ。青函トンネルという細い管に新幹線が突入すると、対向する貨物列車に対して圧力波が発生し、すれ違い時には車両内側に対する正圧、内向きに作用する負圧が働く。コンテナは緊締装置で貨車に固定しているため、通常であれば風圧で外れることはないが、コンテナが破損したり、コンテナが開扉して積載物が落下したりする可能性がある。







