JR北海道Photo:PIXTA

赤字路線を減らしても、JR北海道の苦境は終わらない。次に問われるのは“黄8線区”の巨額赤字を結局だれが負担するのか、という問題だ。「上下分離方式」などの打開策も浮上するが、実態は負担の付け替えにすぎないとの見方も強い。“夢のような話”の裏側にある、厳しい現実と課題を追った。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

ローカル鉄道問題
本丸はJR北海道

 前回の記事で、国土交通省の「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」がローカル鉄道の維持を目的としたユニバーサルサービス料金の導入を提言したことを取り上げた。

 ローカル鉄道問題の本丸といえるのがJR北海道である。2011年度から経営自立計画がスタートしたが、直後の2011年5月に特急列車の脱線火災事故が発生。その後も事故・不祥事が相次いで発生したことから、2014年に国土交通大臣から「輸送の安全に関する事業改善命令及び事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」が発せられ、本格的な経営再建に着手した。

 これを受けて、同社は2016年11月に「『持続可能な交通体系のあり方』」を発表し、「輸送密度が200人/日未満の線区」(赤線区)はバス転換、「輸送密度が200人/日以上2000人/日未満の線区」(黄線区)は国・地方自治体の支援を要望した。赤線区・黄線区は当時の全路線2500キロのほぼ半分に達した。

 2018年に再度の業務改善命令・監督命令が発せられ、北海道新幹線が札幌延伸を予定する2030年度の経営自立に向けて、国の支援のもと経営再建に着手。石勝線(新夕張~夕張間)、札沼線(北海道医療大学~新十津川間)、日高線(鵡川~様似間)、留萌線(深川~留萌間)、根室線(富良野~新得間)の赤5線区は今年4月までに全区間の廃止・バス転換が完了した。