
シマケンの記事の影響力
存在感の薄い登場人物のひとりに瑞穂屋の店員・松原(小倉史也)がいる。もうひとりの店員・文(内田慈)と比べると、やや出番が少なめ。でもうっすら人の好さそうな人物に見え、気になる彼がフィーチャーされるときがついに来た!
シマケン(佐野晶哉)が書いた夕顔(夕凪・村上穂乃佳)の記事を読んで、すっかり夕顔ファンになってしまった松原は病院に見舞いの品を持ってくる。それはアフリカの猿の人形(縁起もの)という斬新な物だった。
シマケンが盛って書いた記事は好評で、松原もすっかり記事に書かれた夕顔に感情移入していた。
記事は事実とはだいぶ違う。事実は、客の男が夕凪に無理心中を迫っただけなのだが、シマケン版は貧しい村に生まれ育ち遊女に身を落とした夕顔と幼馴染の男性との悲恋ものに仕上がっていた。
シマケンが言ったように、文字や記事には世相を動かす力があった。それをシマケンは自分の書いたもので実証したのだ。
新聞記事を読んだ患者やその家族たちが続々と花やら品物やらを贈ってくる。これって朝ドラ絶対王者『おしん』(83年)のようだ。おしんがとても貧しく苦労している物語で、放送当時、視聴者からNHKへ米などの食料が送られてきたらしい。
セツ(夕凪の本名)の部屋はいつの間にか物置から病室に移っていた。
遊郭の主人・権田(梅垣義昭)は、世間が新聞を読んで興味をもったせいで悪者にされて仕事がやりづらくなっていた。彼が再び夕凪を無理やり連れ戻そうとするのを、見習い6人が共謀して助けるところは痛快だ。こういう痛快エピソードがもっとほしい。
内科医・坂田(金井勇人)は夕顔に高価な氷を使う許可を出す。これも新聞記事の影響だった。
牛の膀胱でできた氷嚢という、当時はまだ珍しいものを興味津々で見る見習い生たち。
ただ、こうしてセツが助かっても、また遊郭に連れ戻されたら助けることにはならないと直美が悩む。
「それでも私たちにできるのはセツさんを回復させることだけじゃないのかな」とりん。
以前はりんが社会的に訴えかけ、直美が地道に看病していたが、今回は、直美が悩んで、りんが体調の回復を第一に考えている。番宣で見上愛が、りんと直美がどちらかが月と太陽ではなく、月と太陽が入れ替わっていくというようなことを言っていた。まさにそんな感じだ。
ヨシ(明星真由美)は患者がくれたという季節外れのみかんをもってくる。口は悪いが、ほんとはみかんもヨシのお気持ちなのかもしれない。







