フォアマンは40連勝という驚異的な記録をひっさげ、ザイール(現コンゴ)のキンシャサで行われた歴史的一戦「ジャングルの死闘」でアリと対戦。そこで人生初の敗北を喫した。

 しかし、彼はその敗北に屈することはなかった。引退から10年後、フォアマンは再びリングに立つ決意を固める。過酷なトレーニングを積み、徹底的に体重を絞り込んだ。その際、彼はニヤリとしながらこう語っている。

「減量こそ、私たちが唯一喜んで受け入れる『喪失』である」。

 結果、彼は見事なKO勝ちを収め、史上最年長のヘビー級世界王者という快挙を成し遂げた。

 彼の進撃はリングの上だけに留まらない。実業家として数百万ドルを稼ぎ出し、説教者としては勇気を必要とする人々へ希望を届けている。さらに家族も増え続け、6人の娘と5人の息子、そして世界中のファンは、最終的に「ビッグ・ジョージこそが最高の存在である」と確信した。

負けを認めるまでは
敗北にはならない

 コナー・マクレガーは無名の存在からMMA(総合格闘技)のチャンピオンへと駆け上がり、巨額の富を手にした。ケージの中の戦いを一度でも見たことがあるなら、彼が何を代償にしてきたか分かるだろう。血、汗、涙、そして数え切れないほどの怪我。

 しかし、ここで注目したいのは彼自身ではなく、その背後にいるトレーナー、ジョン・カヴァナーだ。

 彼のモットーは「勝つか、学ぶか(負けることはない)」である。それだけでも十分に価値ある教えだが、私は彼のトレーニング哲学を日常生活にも応用している。

『毎日が必ずうまくいく366のヒント』書影毎日が必ずうまくいく366のヒント』(ホス&ホップ著、伊達信夫訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 私たちは日々、まったく違うコンディションで生きている。バイオリズムは常に変化し、忙しさに追われる日常では、その変化に合わせてタスクを調整するのは難しい。しかし、長い年月にわたって高いパフォーマンスを維持したいのであれば、この柔軟性こそが不可欠になる。

 この言葉は、これまでにも何度となく耳にしてきたはずだ。ここでは総合格闘技の世界から、エメリヤーエンコ・ヒョードルの例を取り上げたい。

 彼は2001年から2010年までの9年間、無敗を誇った。その偉業を再現するのは容易ではない。しかし、その期間中でさえ、彼は何度も倒されている。真のチャンピオンとは、倒れてもなお立ち上がり続ける者である。

 世界は二元的であり、勝利と敗北は常に表裏一体だ。エメリヤーエンコは壮大なスポーツキャリアを終えた後、政治の世界へと進んだが、そこでの成功もまた同じ原則に支えられている――倒れたことがない者は、再び立ち上がることもできない。