人間にとって必要な、暮らしていくための力をつける「3つの脳」をバランスよく鍛えることをこの短時間でできるのならば、むしろとっても効果的だと私は思います。体験の機会として家事はうってつけなのです。

効率優先の母親は子どもの
自立の機会を奪っている

 家族を家事に巻き込んでいくために重要なポイントは、任せる側のマインドを整えていくことです。

 料理も洗濯も掃除も、一番早いのは親がパパッとやってしまうこと。しかし、そうなると、子どもが任されるシーンがなくなってしまいます。

 日々、忙しい親ほど効率よく家事をこなしたいし、子どもにも失敗をさせたくありません。子どもに洗濯物干しを任せたらしわくちゃのままだった、おかずの盛り付けを任せたらコンロも床もベタベタに……自分でやったらそんな“二次災害”も起こらないですよね。

 ですが、子どもを家事に巻き込んでいくことがゆくゆくは自分がラクになっていくことにつながります。そして、家事は子どもに生きる力や教科学力を育みます。

 先日、「うちの子は何もしないんです」という中学生の子がいるお母さんのお話を聞いていると、ご飯をお代わりをする際にもよそってあげていると言っていました。

「これを取って」「あれをして」と伝えれば全部やってくれる、お母さんがすべての準備をする係になってしまっているのです。

 残念ながら、この状況をつくり出しているのはお母さん自身です。「子どもが何もできない」のではなく、自分の頭で考えて行動する機会を子どもから奪ってしまっています。

 この状態は「メイドスタイル」にあたります。お母さんが子どもの顔色を見て先回りをし、献身的なお世話をしてしまっているのです。

 同様に、「司令官スタイル」となっているケースもあります。

 司令官スタイルは、親が子どもに事細かに指示を出し、家事のやり方もタイミングも管理するタイプ。「言われた通りに行えばいい」という姿勢では、子どもの考える力は育ちません。