家族を巻き込む「戦略的ほったらかし家事」のマインドとして重要なことは、任せる側が司令官スタイルやメイドスタイルから脱することです。一歩引いて、戦略的にほったらかすことで、子どもは自発的に学ぶ姿勢を獲得していきます。

子どもをその気にさせる
「すっとぼけ」作戦

 時々子どもが自信満々に、料理後に「こうやったらおいしくなるんだよ!」と言ったり、洗濯を「こうしたら速いよ!」と言ってきたりします。

 たとえ、それがすでに知っていることだったとしても、私は「へー!そうなんだね!」とすっとぼけます。

「知っているよ」「いや、それ私が教えた方法だし!」といった反応はしません。なぜならば、私が知っているかどうかは、子どもにとってはどうでもいいことだからです。

 子どもは私に知識を自慢したい状態でいる。そのときの私の役割は、それをきちんと受け取ることです。

 大事なことは子どもがこれからもやる気をもって、家事に関わっていくこと。そのために必要なことは、子どもが得た自信を一旦受け止める反応を示すことです。

 さらに、おいしくできたときには「さすがだね!」「◯◯が作ると、こんなにおいしくできるんだね」「◯◯の盛り付け、とってもきれい」と褒めます。

「あなたが作ったからおいしいのだ」ということを明確に伝えていたのです。その結果、子どもたちには「自分で作ったらおいしくできる」というマインドセットができ上がっていきました。表現はよくないですが、ちょっとした洗脳です。

「僕(私)が作った食事はおいしい」と思えれば、料理が自分の特技となり、誰かのために作ってあげたくなります。それが、料理に前向きになっていく一歩だと考えています。

子どもが失敗をしても
チャレンジ精神を褒めてみよう

 小学校中学年の頃、子どもがパスタ作りにハマって、いろいろな味に挑戦していました。トマトやクリーム、明太子などおいしいものが出てきたときはいい。しかし、ある日、微妙な味のパスタが出てきました。今振り返っても表現するのが難しいのですが……、中華麺のような食感のパスタだったんです。