社会保障国民会議の初会合で発言する高市早苗首相社会保障国民会議の初会合で発言する高市早苗首相(左から2人目)=2月26日、首相官邸 Photo:JIJI

給付付き税額控除の大枠案公表
中低所得層支援で所得に応じ給付

 社会保障国民会議の実務者会議は5月27日、政府・与党が、物価対策の議論のなかで導入を検討している「給付付き税額控除」制度の「イメージ」を示した大枠案を公表した。

 一定の勤労収入がある中低所得層を主な対象に、所得に応じて支援額(給付)を増減させ、本当に支援が必要な層に効率的に「手取り増」や「就労」の支援をすることを描いている。

 政府は、高市早苗首相が先の総選挙で物価高対策として掲げた「2年間限定で食料品の消費税率ゼロ」をまずは物価高の負担軽減策として「つなぎ」で実施し、そのあとに、給付付き税額控除を恒久的な制度として導入することを考えているようだ。

 だが、欧米などで導入されている給付付き税額控除は、支払う税金を減らす「控除」と現金の「給付」を組み合わせて、非課税ラインを下回る層には給付、税金や社会保険料を払っている層には、その負担で手取りが減らないようにし、所得に応じて給付を増減させたり、子育て世帯には手当などを加えたりして、幅広い支援を狙っている。

 その意味では、給付付き税額控除は、本来は消費税減税の代替策ではない。

 一方で物価対策として、物価上昇で所得以上に税負担などが増え手取りが減ってしまう「ブラケット・クリープ」への対応についても、給付付き税額控除はそれなりに機能が期待できる制度だが、この観点からすると、今回公表の制度案では限界がある。

 インフレによる「隠れた増税」には、本筋の対応策がある。