霧雨の降る朝、世界屈指の大富豪の子息ら十数人が、米テキサス州オースティンにある民泊サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」の宿に集まり、ある問いについて考えていた。「君たちの親は、なぜ君たちに働いてほしいと思っているのだろう?」当然ながら、この部屋にいる若者たちの中に働く必要がある者は一人もいない。寄せ集めのソファや椅子に腰を下ろした大学生や20代の若者たちの家族は、合わせて70億ドル(約1兆1000億円)にのぼる総資産を持つ。それでも彼らは矢継ぎ早に答えた。「親のお金は、自分のお金じゃないから」 「1ドルの価値を学ぶため」 「働くことで生きがいが得られるから」最後に挙がった答えこそが「まさに正解だ」と語るのは、講師を務める富裕層向けコーチのマイケル・コール氏だ。コール氏は、資産1億ドル以上の家族を対象とした会員制グループ「R360」の創設者の一人であり、今回の合宿を主催している。