2014年に「転職・転業もいとわない」と回答した人は、21.0%であったのに対して、2019年は25.9%、2024年は37.7%と、ここ10年間で16.7ポイントも増加しています。これは、与えられた場所に受け身でいるのではなく、自らの意思で新しい環境や職種に飛び込み、柔軟にキャリアを再構築していこうとする、極めて能動的で挑戦的な姿勢の表れといえるでしょう。

企業戦士ではなく
“バランス型”へ変化

 この意欲は、仕事以外の時間の使い方にも如実に表れています。平日の自由な時間を「仕事や勉強をする」といった自己投資、スキルアップのための行動に充てる層が、ここ数年で最も高いスコアを記録しています。これは、現状に満足せず、常に学び続け、自らの市場価値を高めようとする「生涯現役」志向を裏付けるものです。

 従来の「定年退職後は残りの余生を悠々自適に楽しむ」という人生設計はもう過去のものです。現代の令和シニアは、人生100年時代を見据え、自らのキャリアを主体的にデザインし、社会との接点を持ち続けることに価値を見出しています。

 働く意欲の向上と並行して、生活の楽しみを重視する意識の高まりが見られるのも特徴です。

 希望するライフスタイルに関する調査では、「仕事より生活の楽しみを重視する」と回答した60代が、2014年と比較して10ポイント以上も大きく増加していました。これは、「仕事に邁進しつつも、プライベートを犠牲にしない」という、従来の企業戦士な働き方とは異なる、バランスの取れた生き方を志向していることを示唆しています。

若者よりも
“自分で調べる”60代

 令和シニアの学び続ける姿勢は、まず最新情報への飽くなき探求心として表れています。「最新の情報はいち早く入手したい」と考える60代のスコアは、2014年の26.2%から2024年には33.1%へと大きく伸長しています。これは、単に社会全体の情報感度が高まったからではなく、若年層では対照的にこの意識が年々低下傾向にあります。

 また、彼らは単に情報を浴びるだけでなく、その情報を起点に深く掘り下げる能動性を兼ね備えています。「広告を見て関連サイトを確認する」という行動も、2014年の34.0%から2024年には56.9%へと大幅に増加しています。ここでも若年層で同様の行動が減少傾向にあるのとは対照的です。この差は、必ずしも「見極め力」の優劣ではなく、世代間で情報消費の「作法」が根本的に異なることの表れではないでしょうか。