もし膝痛についてどうしても書いておきたいようなら、もう一首、そちらに焦点を当てた歌を作ることをおすすめします。何首作ってもいいのですから!
俵万智 作
花びらのような足あと追いかけてゆけば春へと続くこの道
『オレがマリオ』
花びらのような足あと追いかけてゆけば春へと続くこの道
『オレがマリオ』
幼稚園に入る前に詠んだ歌です。足あとを追いかけてゆく道は、現実の道であり、春につながっている道でもあると感じました。母が子どもを追いかけながら、いつか追いつけなくなる寂しさが少しにじみます。それでも追いかけて並走するのが、親ですよね。
親と子の緊迫バトルを
畳み掛けるように表現
八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー) 作
ガチャガチャを見せぬようにと息止めて
子より急いでただ通り過ぐ
――カプセルトイが大好きな子どもたち。視界に入った瞬間から勝負は始まっている!子どもより先に気配を察知し、見せなければほしがらないと信じて早足になる親です。
ガチャガチャを見せぬようにと息止めて
子より急いでただ通り過ぐ
――カプセルトイが大好きな子どもたち。視界に入った瞬間から勝負は始まっている!子どもより先に気配を察知し、見せなければほしがらないと信じて早足になる親です。
「息止めて」という表現に、臨場感があふれています。「子どもに見つかったら、こっちの負け!」と、ハラハラ、そわそわしているのでしょう。はたから見たらわからない、心の動きを具体的に言い表すのは意外と難しいものなのですが、うまくできていると思います。
「見せぬ」「息止めて」「急いで」「通り過ぐ」というふうに、動詞が多く出てくるところも、この歌の個性になっています。本来、動詞が多いと落ち着きがなくなってしまうのですが、落ち着きのない心境を歌っているので、ここではむしろ効果的。
「ガチャガチャ発見→見せない→息止める→子より急ぐ→通り過ぎる」という一連の流れと緊迫感が、畳み掛ける動詞で表現されています。
俵万智 作
危ないことしていないかと子を見れば危ないことしかしておらぬなり
『オレがマリオ』
危ないことしていないかと子を見れば危ないことしかしておらぬなり
『オレがマリオ』
シチュエーションは違いますが、ハラハラする親の気持ちを歌っています。ちょっと目を離して、子どもがやけにおとなしいとき、「危ないことをしてないかな?」と見てみると、予想通りに危ないことをしている。そういう経験が何回か重なって、「というか、危ないことしかしてないでしょ!?」と思いました。







