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人は誰しも、いつかは死ぬ。かつて日本では、自宅で最期を迎えることはごく当たり前の光景だった。ところがいま、賃貸住宅での「死」は「事故物件」や「特殊清掃」の問題として扱われ、高齢者の入居をためらう大家や不動産会社も少なくない。「病気で自宅で亡くなること」まで忌避されるのはなぜなのか。※本稿は、追手門学院大学地域創造学部教授の葛西リサ『単身高齢者のリアル――老後ひとりの住宅問題』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
自宅で亡くなる人は
いまも増えている
孤独死は、故人の尊厳にかかわる重大な問題であるが、その死にかかわる人々や地域にも深刻な影響をもたらす。近隣住民にとっては、遺体がすぐそばにあるということじたい、心理的に負担の重いものである。また、その汚臭や害虫の大量発生などは生活の質を著しく低下させる。
では、現代の日本において、どれくらいの人が自宅で亡くなっているのだろうか。実は、1950年頃までは自宅死が8割以上であった。それが、1975年を境に病院死の割合が急増し、2019年にはその割合は7割を超える。
とはいえ、実数で見ると、自宅死の数は2000年の13.4万人から、2019年には18.8万人と漸増している。この増加の背景には、介護保険制度や在宅療養支援診療所の導入など、高齢者の自宅生活を支える環境の整備があると言われている。
自宅で死亡する主な原因には、病死のほか、焼死を含む事故死、そして自殺がある。2023年人口動態調査によれば、自宅内事故による死亡の件数は1万6050件、これは交通事故の4.5倍にあたるとも言われている。







