写真はイメージです Photo:SANKEI
「エアコンは何度が正解?」「昨日まで夢中だったのに、もう飽きた?」「口ごたえが増えて少し寂しい」――。子育てに正解がないからこそ、多くの親が抱く戸惑いや喜びを、短歌にすると不思議と共感が広がる。テレビ朝日系『夫が寝たあとに』(毎週火曜 深夜0時15分~ ※一部地域を除く)では、鷲見玲奈や小島よしお、山口もえ、澤穂希らが「育児短歌」を披露。歌人・俵万智さんが、その作品に込められた親心や短歌の魅力を読み解く。※本稿は、テレビ朝日「夫が寝たあとに」と歌人の俵万智『みんなの短歌』(マガジンハウス)の一部を抜粋・編集したものです。
子どもが泣かない温度は何度?
視聴者からの反響多数
鷲見玲奈 作
エアコンをつけても消しても泣く君よ
何度が正解?誰か教えて
――夏の夜は特に、エアコンの設定温度を何度にするべきか悩みます。高めに設定すると暑くて泣くし、温度を下げると寒くて泣く。泣かない温度ってあるんですか?
エアコンをつけても消しても泣く君よ
何度が正解?誰か教えて
――夏の夜は特に、エアコンの設定温度を何度にするべきか悩みます。高めに設定すると暑くて泣くし、温度を下げると寒くて泣く。泣かない温度ってあるんですか?
上の句の「エアコンをつけても消しても泣く君よ」で情景をきちんと説明したあとに、下の句の「何度が正解?誰か教えて」で心情を表現しています。「泣きたくなるのはこっちだよ!」という母の戸惑い、懇願が感じられます。
この歌も黄金の形(編集部注/「情景+心情」又は「心情+情景」)にうまくはまっていて、読みやすいですし、整っている印象を受けました。
そもそも正解がわからないのが子育てですし、「何が正解?誰か教えて」という気持ちは、子育てのいろんな場面で抱くと思います。しかし、多くの人にとって身に覚えのある感情でも、抽象的な説明だったら伝わりにくいもの。こんなふうに「エアコンの設定温度を上げても下げても結局泣く」という情景を具体的に表現すれば、実感のこもった心の叫びとして伝わります。
この短歌が番組で紹介されたあと、視聴者から育児の正解や、エアコンの温度にまつわる短歌が多く集まりました。たくさんの人に、鷲見さんの心の叫びが届いた証拠ですよね。







