幻のホーム駅名標幻のホーム駅名標(東京メトロ提供)

2026年5月、東京メトロのイベント列車が10年ぶりに「新橋駅の幻のホーム」へ乗り入れた。工事のため長らく非公開だった歴史遺産は、いまどうなっているのか。公開再開の背景と改良工事の現状、そして幻のホームの未来を探った。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

10年ぶりに公開された
新橋駅の「幻のホーム」

 東京メトロは5月30日、イベント列車「夢の冒険列車 ルート銀丸」を運行した。「銀丸壱号」は銀座線上野車両基地から出発し、赤坂見附駅から丸ノ内線の線路に乗り入れ、中野富士見町駅から丸ノ内線中野車両基地に到着。「銀丸弐号」は中野車両基地から出発し、赤坂見附駅から銀座線に乗り入れ、「新橋駅幻のホーム」に到着した。

新橋駅幻のホーム(東京メトロ公式Xより)新橋駅幻のホーム(東京メトロ公式Xより)
夢の冒険列車 ルート銀丸「銀丸壱号」夢の冒険列車 ルート銀丸「銀丸壱号」

 銀座線と丸ノ内線は赤坂見附駅の溜池山王寄りにある連絡線で線路がつながっている。両線の車両は線路の幅、集電方式は同じだが、車体サイズが異なる。銀座線より丸ノ内線の方が大きいため、丸ノ内線から銀座線への乗り入れは不可能だが、銀座線から丸ノ内線は可能だ。上野車両基地は工場機能を持たないため、大規模な検査、改修は中野工場で行っている。

 連絡線を使用したイベント列車は2017年3月の「さよなら銀座線01系 メモリアルイベント」以来。今回の「夢の冒険列車 ルート銀丸」は現役の銀座線乗務員が中心となって企画した。列車名は1987年の地下鉄開通60周年イベントの一環で運行された「夢の冒険列車 ルート34」の名前を引き継いだものだ。歴史への敬意は好感が持てる。