「家にいるのに疲れが取れない」「なぜか集中できない」。そんな状態が続いている人は少なくありません。しかし、その原因は性格や気合い不足ではなく、“部屋の使い方”にあるかもしれません。30年以上にわたり家づくりに携わってきた建築家・八納啓創さんが語ったのは、「環境を整えると、心はあとから整ってくる」というシンプルな真実でした。毎朝5時55分から開催している「1分朝活」で語られたその話は、「人生を変えたければ、まず部屋を変える」ということを改めて教えてくれるものでした。

なぜ「部屋」で人生が変わる? 脳を整える朝30秒の新習慣Photo: Adobe Stock

なぜ「部屋」で人生のパフォーマンスが変わるのか

「なんとなく家に帰ると疲れる」「集中力が続かない」。そんな感覚を持っている人は多いでしょう。しかし八納さんによると、人は自分が思っている以上に“空間”の影響を受けています

私は『奇跡が起きる毎朝1分日記』の著者として、毎朝5時55分から「1分朝活」を無料で開催しています。心と行動を整えるための短い習慣ですが、毎週月曜日はゲスト講師をお迎えしています。

今回のゲストは、『運がよくなる!部屋のつかい方、整え方』の著者、八納啓創さん。30年以上にわたり住宅設計や空間づくりに関わってきた専門家です。

朝、カーテンを開けるだけで「脳」が変わる

八納さんが最初に教えてくれたのは、「朝の光」の重要性でした。

朝起きたら、まずカーテンを“パン”と開ける。そして30秒から1分でもいいので、朝日を浴びる。たったそれだけで、呼吸が深くなり、気持ちが軽くなる。

実際、脳科学でも朝日を浴びることでセロトニンの分泌が促され、気分や集中力に影響することが知られています。曇りの日でも、首筋に温かいシャワーを当てるだけで感覚が変わる、と八納さんは言います。

人間は「気分がよくなったから行動する」のではありません。先に体や環境を変えることで、感情が変わるのです。

「鏡磨き」をすると自己肯定感が上がる理由

特に印象的だったのは、「朝の鏡磨き」の習慣です。洗面所に行ったら、「ひかりもの」である、鏡と蛇口を30秒磨く。そして、鏡に映る自分に笑顔で「おはよう」と言う。すると、自分が普段どれくらい笑顔でいるのかがわかる。

これは心理学的にも非常に理にかなっています。人間は表情筋を動かすことで感情状態も変わります。笑顔を作ると脳の血流が増え、前向きな感情が生まれやすくなるのです。

しかも、「鏡を磨く」という行為そのものが、自分自身を大切に扱う感覚につながる。部屋が乱れていると、脳は無意識にストレスを感じ続けます。逆に、空間を丁寧に扱う人は、自分自身も丁寧に扱えるようになるのです。

観葉植物に話しかける人が穏やかなワケ

八納さんは、「ぜひ観葉植物を置いてほしい」とも話していました。大きな植物でなくてもいい。100円ショップの小さな植物で十分。毎日水をあげながら話しかけるだけでも、心が穏やかになる。

人は、自分以外の何かを大切にしているとき、愛情や安心感に関わる感覚が自然に育っていきます。忙しい人ほど、家を「寝るだけの場所」にしがちです。しかし本来、家はエネルギーを回復させる場所です。空間に少し愛情を注ぐだけで、感情の質まで変わっていくのです。

「環境」を変えると、人生の挑戦力まで変わる

八納さんが最後に強調していたのは、「場所を整えると、心はあとから整ってくる」という言葉でした。やる気が出ない。集中できない。ネガティブになる。そんなとき、多くの人は「自分の根性が足りない」と考えます。でも実際は、環境のノイズに脳が疲弊しているケースが少なくありません

私たちの脳は、視覚情報や空間情報から常に影響を受けています。だから部屋を整えることは、単なる掃除ではなく、“脳のメンテナンス”でもあるのです。まずは30秒でいい。朝、カーテンを開ける。鏡を磨く。光を浴びる。そんな小さな習慣が、人生全体の空気を変え始めるのかもしれません。