
直美の住むところ問題
卒業後、りんたちは帝都医大病院で看護婦として働くことになるはずだった。でも病院はそれをなしにしたのだと捨松から聞いて、りんたちはびっくり。
なんとかこのまま病院で働くことはできないかと、バーンズが陰で手を尽くしていた。
バーンズが捨松を訪ねたのはその力添えを頼むためだったのだ。
院長に働きかけるために、勝海舟(片岡鶴太郎)や千佳子(仲間由紀恵)など、有力な華族や政治家に声をかけた。
勝海舟は、生徒の中には、俺の古い友人(清水卯三郎〈坂東彌十郎〉)が目をかけている子がいるからと引き受ける。千佳子は当然、りんたちの味方だ。
過去に関わった人たちが助けてくれる。劇伴も相まって感動的な場面。ここで警察のえらい人・園部(野添義弘)も出てくるかと思ったら、出てこなかった。ここで彼も一肌脱いだら、ああ、やっぱり、りんの気持ちは通じていたのだと思うところだ。
でもそうしないのは、園部はりんの失敗経験だったのだ。そこに人情はなかった。
ここで園部までが出てきたら視聴者はほっこり、SNSも盛り上がったと思う。そこまでいい話にしないところが現実的といえば現実的である。
全員、りんの味方というのもファンタジーすぎる。とはいえ、勝海舟がここで生きるほうが、ファンタジーっぽい気がするが。それと、卯三郎が勝海舟の友人とだけ言われ、当人が働きかけないのも不思議。
「これからそれぞれの場所で、誠実に悩み続けていきましょう」
なにはともあれ、りんや直美たちの就職先は決まり、バーンズ先生は故郷へ戻った。「NOTE ON NURSING」という本を残して。
そこには「看護とは何か?」という英語の走り書き。「問われているのは、私自身である」と書かれたのを読んで、「やっぱり先生も看護婦なんだね」「うん。私たちと同じ」とりんと直美。
住む場所は違っても看護というものを生涯問い続けていく同志なのだ。女性ボーカルの劇伴が感動を高めた。この回、音楽の力強し。
さて、まだ解決しないのは直美の住むところ。
学校を卒業すると寮には住めなくなる。当てにしていた長屋に空き部屋がなくなっていて困る直美。
チュウ(若林時英)が来てから部屋が埋まるようになり、「長屋の福の神」とあがめられている(第58回)。
彼は甘味処で働き始め、りんたちの行くところ、あちらこちらに顔を出すお役立ちキャラとなる。入院していたとき、まさかこんなに長く登場するとは思わなかった。やたら脱ぎっぷりがいいなあとは思ったが。
直美はしばらくりんの家に住むことになった。家族との暮らしを知らない天涯孤独な直美が、結束力あるりんの家族との共同生活を経て、どんな影響を受けるだろうか。素直な子になっちゃうんだろうか。








