親子だからこそ
大切な距離感がある

 だから、解決しようとしなくていいんです。あなたが目指すのは、ただ「そういう親だったんだな」と事実確認をすることです。許すか許さないかは、考えなくていい。

 一度シワクチャになった紙は、伸ばしてもシワは残ったままでしょう。過去も同じです。だから100パーセントの「めでたし、めでたし」を目指せないし、目指す必要はないんですね。

 とにかく忘れないでほしいのは、「事実確認をする」は、「仲直りすること」とイコールではないということです。優しい人、愛情深い人ほど、陥りがち。でもそこを間違えてしまうと、「乗り越えたつもりだったのに、仲よくできない私は器が小さい、親不孝だ」と自分を責めてしまうことになりかねません。

 大切なのは、過去の事実を確認して捉え直したうえで、最適な距離感を探っていくことです。

「表面上はうまくやる」でも「距離を置く」でも構わない。もちろん、「一切の縁を切る」と決めるのもあなた次第です。

 親子だからといって、密着する必要はありません。あなたがいちばん自分を大切にできる距離感と、心おだやかに過ごせる関係を選んでいいんですよ。私たちはもう、おとななんですから。

距離感が遠くなれば
イライラは自然と収まる

 他人だといいあんばいの距離感でおだやかにコミュニケーションを取れるのに、親子だと妙にイライラしてしまう。会うたびにトゲトゲしたことばを投げられたり、投げてしまったりで、会ったあとはぐったり疲れる。そんな自分に罪悪感を抱き、「次は優しくしよう」と誓うも「やっぱり無理だった」、この繰り返し……。

 これ、ものすごく「あるある」です。こういう人、たくさんいますよ。なにを隠そう、私も母といるとすぐにイライラしてしまいます。

 友だちであれば、離れればいい。仕事関係やママ友であれば利害関係があるし、ある意味「役割」に徹せられるから割りきれる。でも、親子となると縁を切るにはなかなか勇気がいるし、「役割だから」と淡々と接することもできないんですよね。あるいは「次こそは仲よくしよう」と決意を固めても、身内だからこそ感情をコントロールできず、イヤな気持ちになってしまうわけです。