コロナ禍がもたらした「量り売り」から「パック売り」への大転換
もともとオリジン弁当は、他の弁当店のようなツーオーダー機能に「グラム量り売り惣菜」をドッキングさせた独自の形態で出店数を伸ばした。これは、創業者の安澤英雄会長が弁当と惣菜の相乗効果を狙って生み出した差別化フォーマットだった。
注文した弁当が出来上がるまでの間、顧客は自由にカスタマイズできる量り売り惣菜を選ぶ。店内調理を持たないコンビニに対し、この「ジューシーな出来立て」と「選べる楽しさ」の組み合わせは最大の武器となった。
しかし、コロナ禍によって世界は激変する。
衛生面への懸念から、同社の象徴であったビュッフェ形式の「グラム量り売り」という形態は一変し、あえなく「パック売り」への移行を余儀なくされたのだ。しかし、これにより次なるステージに駆け上った。
グラム量り売り時代は、いかにロスを調整するかがポイントとなる。ロス率が2〜3%だと機会損失を生み、逆に7〜8%だと粗利がぶっ飛ぶ薄氷のビジネスだ。試行錯誤の末に弾き出した「最適ロス率5%」を維持するのは至難の業だった。
さらに当時は「100g=157円」のように単価が固定されていたため、原料が高騰すると、定番の商品が出せなくなる。
たとえば、惣菜のベーシック商品であるエビチリをグラム量り売りで販売したことがある。エビが高いため、キャベツを入れ、たれの粘度も強くすることで、トングでもって買ってもらえるように仕上げるなど、一見、何気ない商品にみえて、実はよくよく考え抜かれていた。さらにトングで商品をひとつかみした際もはみ出るようにカットの長さを考え、それごと持って帰ってもらえように仕上げた。
しかしそれでも顧客は、シビアにエビだけを取って帰る。最終、皿に残っている状態は、原価調整で入れたキャベツ、水煮の竹の子が残り、ますますロスになる。このように、グラム量り売り惣菜は構造上、どうしてもロスが発生しやすい。
このように緻密に設計した商品でようやく損益分岐点(日販20万円)をクリアできる世界だった。急成長するオリジン東秀を見て、同様の業態を導入しようとした弁当チェーンも少なくなかったが、多くは定着しなかった。
ところがコロナ禍を契機に、オリジンはグラム量り売り惣菜から撤退した。
その結果、時間帯ごとの顧客の動きに合わせて製造数を柔軟にコントロールできるようになり、フードロスの削減と利益率向上を両立する構造改革を実現した。食糧新聞の取材に対し後藤雅之社長は、パック販売への移行によって廃棄量が従来の約3分の1まで低減したと説明している。







